神奈川区 人物風土記
公開日:2014.10.02
童話作家として地域の出来事を「タウン童話」に掲載している
高木 寿美恵さん
斎藤分町在住 74歳
家庭の数だけ物語がある
○…タウンニュースの童話コーナーに「バタバタばーば」の名で連載中。今号が節目の10作品目となった。「思いが固まれば、すぐに作品となる。家庭の数だけ物語はある」。幼い頃から描きためた童話は、約100作。大手新聞社のコンテストで佳作を受賞した経験もある。「100ページを超える大作だったので、手直しして他にも出そうかしら」。時折冗談を交えながら終始笑顔で話す。
○…東京・深川出身。5歳まで住んでいた生家は、大空襲で無くなってしまった。「植えてあるトマトやスイカを初めて見た」。疎開先となった埼玉県東松山市での暮らしが、五感を刺激し創作意欲をかき立てた。小学校では、友だちの黒い傘に絵を描いて遊んだ。「着物をフランス人形にして、お米と交換するような母の影響があったのかも」と懐かしむ。
○…松山女子高時代は新聞部に所属。部長として地域の歴史や学内の意識調査をまとめ上げ、全国新聞コンクールで優勝。スカウトされ、地元紙のイラストを描くバイトをしながら、短大で栄養学を学んだ。卒業後、業界紙の政治部記者を経て日立製作所の海外事業部へ。「初仕事でインド人を羽田空港まで迎えに行った。英語が話せなくて慌てたわ」。そして、転職先で亡き夫と出会い斎藤分町にやってきた。「ご近所さんは仲良し。絆のようなものがあって暮らしやすい」
○…息子2人に恵まれた。主婦としてPTAの広報部や地区新聞「ひろば」の創刊にも携わった。夫が他界したのを機に、50歳で運転免許を取得。学生だった子どもたちを育てるため、新聞社の出版局で働き始めた。「主に自費出版のお手伝いをしていた。嘱託職員を辞めた今でも、外注の依頼があるのよ」。趣味はドライブ。「景色が流れていく様が好き」だという。現在、7人暮らし。とてもにぎやかで、童話のネタにこまることはない。「いつか本にできたらいいな」
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