横浜市は3月16日、水道料金について、水需要の減少による収入減や施設の更新需要の増加を背景として来年4月めどに平均10〜12%の値上げをしたい考えを示した。2001年以来、20年ぶりの値上げ。この日の市会水道・交通委員会で水道料金改定の方向性を報告した。
横浜市の水需要は節水機器の普及や節水意識の高まり、企業のコスト削減などによって1日平均給水量は1992年をピークに減少している。市の人口が2019年をピークに減少に転じるため、水需要はさらに減少すると見込まれている。
水道事業の収入は、料金改定を行った01年の789億円をピークに減少に転じ、18年は約90億円減の698億円。市の試算では、18年度に73億円あった純利益は23年度は13億円にまで落ち込み、18年度に198億円あった累積資金残高は23年度に4億円まで減少する。
水道施設は高度経済成長期に整備されたものが多く、基幹施設の西谷浄水場の再整備に加え、災害時に損傷すると大きな被害が発生する口径400ミリ以上の管路の耐震化を進めていく必要がある。こうした整備費を考慮し、市は値上げの方針をまとめた。
改定案は一定使用量まで定額とする現行制度を見直し、用途別から口径別の料金体系に移行する。例えば口径20ミリで2人世帯の使用量ほどの1カ月15立方メートルなら、現行料金1666円から166円〜199円増額の1832円〜1865円となる。
9月議会で上程見通し
この日の委員会では委員から「値上げは回避すべき」「経済状況を見て判断してはどうか」といった意見もあがった。
市は今年9月の議会に料金改定議案を提出する予定。可決されれば10月以降、市のホームページや「広報よこはま」などを使って周知を図るという。パブリックコメントは実施の対象としていないため、行わないとしている。市の担当者は「丁寧に周知を図っていきたい」と話している。
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