行方不明の女性救助
ＪＲ東の関連社員に感謝状

秋本署長から感謝状を受ける３人

　行方不明の70代女性を発見し人命救助に貢献したとして、神奈川警察署は21日、ＪＲ東日本横浜電力技術センターの佐藤泰文さん（34）、堀拓馬さん（30）、加藤大介さん（28）に感謝状を贈った。

　３人は６月29日の夜に羽沢変電所＝三枚町＝の保守点検に訪れた際、変電所前に女性が倒れているのを発見。１１０番通報と共に、声掛けや体の冷えを防ぐシートを掛けるなどの救助活動を行いながら警察と救急隊の到着を待った。女性は変電所前で転倒して肩の骨折や顔の打撲などを負い、70時間近くその場で倒れていたが命に別状はなかった。

　同署によると、女性は６月27日深夜に羽沢南の自宅から行方不明になり、同日朝に夫が警察に届け出た。同署は約50人と警察犬２頭の態勢で自宅から半径５００ｍほどを捜索したが、発見には至らなかった。女性の自宅から変電所までは約２Kmの距離があった。

　変電所に通じる道は関係者以外が立ち入ることはほどんどなく、３人も３年に１度行う変電所の保守点検期間中だったことから数日前に訪れたきりだったという。車を運転していた堀さんは「最初は熊が倒れているのかと思った」と驚いたといい、「会社で行っている人命救護の研修が生かせた」と話した。佐藤さんは「偶然とはいえ、人命救助に貢献できて良かった」、救急車の到着まで女性に声を掛け続けた加藤さんも「日頃からチームで活動しているので、救助の際もチームワークが発揮できた」と振り返った。

　秋本剛署長は「発見まで72時間以上かかり、生命の危険が迫っていた。皆さんの迅速で的確な行動により、尊い命を救うことができた」と３人を称えた。