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公開日:2019.11.01

宮前平在住佐藤楽音(がくと)さん
自閉症の絵描き、NY(ニューヨーク)へ
個展開催に向け、支援募集

  • 手がけた絵を背に笑顔の楽音さん

 3歳で自閉症の診断を受けた佐藤楽音(がくと)さん(18)=宮前平在住=がニューヨークでの絵の個展開催に向け、制作に取り組んでいる。絵画の輸送費などをまかなうため11日までクラウドファンディングを実施中だ。楽音さんをサポートする父・典雅さんは「自閉症の子どもたちの可能性を広げたい」と話す。

 楽音さんは現在、発達障害・自閉症生徒のための学校「ノーベル高等学院」(高津区)に通う。自閉症特有の多動症があり、16歳になるまでは5分として同じ場所にとどまっていたことがなかったという。

 16歳の時、岡本太郎美術館に行ったのを機に制作活動が始まった。典雅さんは「絵をずっと眺めていたと聞いた。まず、じっとしていたということに驚いた」と話す。

 興味があるのならと太いブラシとアクリルを渡してみると、どんどん描き進め1年で200枚を描きあげたという。「直感で描くから迷うことがない。手が止まってるのを見たことがない」と典雅さん。

 何をモチーフにしているかは本人にしか分からないというが、大胆に色を重ね、大きいもので160cm×160cmの布キャンバスに3日間で絵を描き上げる。

 楽音さんの「展示会をやりたい」との言葉を受け今年5月、世田谷美術館で個展を開催。予想以上の反響で1週間で10枚、150万円を売り上げた。

 手ごたえを感じたのもつかの間、楽音さんから「ニューヨーク、ミュージアム」という言葉が飛び出した。典雅さんは「今年ニューヨーク旅行に行ったのがきっかけだと思うが、あまりにも大きなことなので。まずは知人や業界の人に聞いて回った」と話す。

 来年3月にニューヨークで世界的なアートショーが開催されることを聞きつけ、同時期にブルックリンのギャラリーを1週間おさえた。開催に向け、資金支援を募るクラウドファンディングを開始。4日目にして目標額の150万円を達成したが、11日まで実施中で現在も支援可能(【URL】https://readyfor.jp/projects/byGAKU)。

 典雅さんは「息子の言語能力は6歳レベルだが、絵を通して自分を表現する方法を見つけられた。個展を通して自閉症への理解を深めてもらうきっかけになれば」と話す。

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