台風19号の影響で、多摩川河川敷の運動場など39施設が利用できなくなっている。川崎市は土砂の撤去などを行うため、12月の補正予算案に約5億5千万円を計上したが、約30施設の利用再開は来年度以降になる見込みだ。利用者らが早期利用を求め、ボランティアによる復旧作業が進む地区もある。
大量の土砂が流れ込み、ベンチやバックネットが流されるなどの被害を受けた運動施設は野球場やサッカー場、陸上競技場など39施設。市が管理する同類の屋外施設の約6割を占める。
川崎市は11月15日、土砂や流木の撤去など施設の復旧に充てる費用として12月補正予算案に5億4600万円を計上。しかし、フェンスの設置やサッカーゴールの購入などは来年度予算に組み込むとしており、約30施設の利用ができるのは早くても来年度以降になる予定だ。市担当者は「どの施設から整備にあたるかは来年度予算が通ってから決める。作業工程は未定」と話す。
地域住民らが作業
一方で、利用再開のために、有志ボランティアが復旧に携わる動きも見られる。市は、公共施設利用予約システム「ふれあいネット」の利用対象ではない無料施設については、ボランティアを受け入れている。申請の受付は多摩川管理事務所(幸区)で行っており、これまでに4団体からボランティアの申請があり、4カ所で作業が行われている。
菅少年野球場(多摩区)は地元住民や民間企業のボランティアが整備を進め、グラウンドが平らにならされ、ベースも設置された。市が整備状況を確認した後、使用許可が下りれば再開できるという。
同球場を利用していた多摩区の中学生軟式野球クラブチーム・菅フェニックスクラブ顧問の及川雄幸さんは「各学年の選手が練習する場所を必要としている。」と話す。作業にあたった地元の男性は「グラウンドがなければスポーツ愛好家の行き場がなくなる」と説明した。
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