第107回全国高校野球選手権神奈川大会が7月7日に開幕する。有馬にある川崎北高校では、大会を前に白球を追う球児たちの熱気がグラウンドにあふれている。中でも、誰よりも声を張り上げ、率先してチームをけん引するのは山口慶悟さん(17)。チームのキャプテンだが、背番号16を背負う「補欠」だ。
小学1年生から兄の影響で野球を始めた山口さん。中学でもキャプテンを務めた経験を持ち、高校でもリーダシップを発揮し1年生の頃からチームのまとめ役を担ってきた。小さい頃から高校野球が大好きで、「3年生になったらレギュラーとして甲子園を目指す」という夢を描いていた。
だが、ケガや同じ遊撃手のポジションを争う後輩の台頭もあり、いつしかスタメンではなくなっていた。「毎日悔しい気持ちでいました」と当時を振り返る。それでも、次第に気持ちは「チームのために何ができるか」を考えるように。ベンチから声を出し、仲間が良い結果を出せるように常に心を砕いた。
新チームとなり、冬場の練習を前に、山口さんは川村太志監督からキャプテンの指名を受けた。「自分のことを考える選手は多いが、仲間やライバルのことまで、上手くしてやろうと支える選手は他にはいない」と監督は信頼を寄せる。
地道な努力も続けてきた。体が細身だった山口さんは、一度にたくさんは食べられないため、体を大きくしようと授業の休み時間におにぎりを食べ続けたという。その結果、体重は3年間で15kg以上増加。その姿に仲間からの人望も厚い。
試合に出場せず何ができるのか
「チームが強くなるも、ならないのもキャプテンの責任」と語る山口さん。常に視野を広くして、選手とコミュニケーションを取るようにしているという。「試合に出れない分、ミスをした選手をどうすれば励ますことができるのか、試合でどうすればベストプレーが出せるようにサポートできるのかを常に考えています」
山口さんが目指すチーム像は「どのチームよりも声を出し、一丸となって、がむしゃらにプレーすること」。その先頭に立ってチームを導く。
同校は7月11日に、逗子開成と初戦を迎える。「まずは初戦に選手全員が全力がだせるように。勝利を飾りたい」と意気込みを語った。
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