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高津区 人物風土記

公開日:2015.10.02

今年の世界マスターズ陸上競技大会の三段跳びで銀メダルを獲得した
中村 宏二さん
久末在住 73歳

情熱で目指す 世界の頂点

 ○…「家族をはじめ、たくさんの仲間が応援してくれた。銀メダルを獲れてほっとしたよ」。今年8月にフランス・リヨンで開かれた「世界マスターズ陸上競技選手権大会」で三段跳びの70〜74歳クラスに挑戦。毎週等々力陸上競技場での練習で鍛えた足腰で9m73を跳び、出場した18人中2位に輝いた。これまでに何度も挑んだ世界マスターズ陸上での自己最高順位を獲得。生き生きとした顔に喜びの笑みが広がった。

 ○…友人に誘われ、陸上競技を本格的に始めたのは40歳になってから。練習を重ねるうちにめきめき実力を付け、アジアマスターズ陸上では三段跳びで3大会連続、幅跳びで2大会連続の金メダルを手にしてきた。世界マスターズ陸上にも毎回出場。人とのコミュニケーションが好きで「『人種のるつぼ』である世界大会では、各国の屈強な選手たちと出会えるのも楽しみの一つ」だという。

 ○…岐阜県関市生まれ。幼いころから夢中になったのは野球だった。叔父が川崎で創業した工具製造会社で勤務するため、16歳で川崎市内に移った後も、同社を62歳でリタイアしても野球を続け「一度も野球のブランクがない」。ショートやキャッチャーとして活躍し、いまでは60歳以上のメンバーからなる還暦野球のチーム「川崎ドリーム」で監督を務める。2007年と12年には同チームの全国大会優勝に大きく貢献した。「小さいころから何をやっても『人に勝ちたい』と思ってきた。試合はどちらがより強く『勝ちたい』という気持ちを持っているかで勝負が決まるものだよ」と、ハリのある元気な声で語った。

 ○…好きな言葉は「随所に楽しむ」。どこにいても何をしていても「楽しんでしまおうと思っていたので、大変な仕事も苦労と思わずやってこられた」。目標を尋ねると「いつかは世界大会で頂点に立ちたい」と即答。「楽しむ気持ち」と「溢れる情熱」を原動力に、夢への挑戦はまだまだ続く。

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