今日8日から高津区内で作品展を行う「かわさき七和会」の会長を務める 大島 定男さん 上作延在住 89歳
障害乗り越え手にした「自立」
○…脳血管疾患などの後遺症で後天的に障害を抱える事となった人や、その家族が集い、共に切磋琢磨しながらリハビリなどに取り組む「かわさき七和会」。高津区をはじめ市内7区の支部に属する約170人のメンバーを束ねるリーダーは「各支部を取り纏める役員や、副会長には本当に感謝しています」と話す。
○…自身も65歳の時に脳卒中を発症。それまではベテランの工場長としてバリバリ仕事をこなし、詩吟も嗜むなど謳歌していた暮らしぶりは一転した。後遺症として歩行等にハンディを抱える2級障害者となってからの日常は「これまでと全く異なる人生」といった様相。それでも「とにかく他人に迷惑を掛けずに自立したい!の一心でしたね」と当時を振り返る。
○…自ら高い志を胸に機能訓練マシンを備えたデイサービスへ精力的に通うなどする一方、同じような境遇の人達が集う「あおぞら会」(かわさき七和会の高津区支部)の存在を知り、仲間との助け合いや、刺激を受けながらのリハビリの高い効果、さらにはコミュニティづくりの楽しさなどを痛感。「会の活動に自分の生きる道を見出しましたね」と笑顔で語る。その後、あおぞら会の会長を兼務しつつかわさき七和会の会長に就いて約15年。強いリーダーシップを発揮する訳ではなく、自立に繋がるちょっとした取り組みも貪欲に実践したり、会報づくりを買って出たりと「率先垂範」の姿勢を今も貫いている。
○…卒寿(90歳)も間近となり、健常者でさえも足腰がおぼつかなくなるケースも珍しくない中、脳卒中という大病を乗り越え、今でも月1回の役員会議に、車いすにさえ乗らずに参加する。それは障害に決して屈せず、弛まぬ努力の積み重ねと向上心で手に入れた「自立した日常」に違いない。
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3月29日