平安時代に貴族の間で始まったとされる「貝合わせ」が3月24日、下作延神明神社(金子善光宮司)で初開催となる。当日はおよそ90個の貝殻が並ぶ予定で、金子宮司(72)は「子どもから大人までが日本文化に触れ、楽しんでもらえたら」と話す。
貝合わせは貝殻をひっくり返し、内面に描かれた絵を記憶。その絵と同じものを探す遊びで、今でいうトランプの神経衰弱に近いもの。元来は、貝殻の見栄えや歌を詠んで勝負する遊びであった。使用する貝殻は、結婚運上昇や夫婦円満の象徴と言い伝えられるハマグリと決まっている。
当日は、貝絵体験と貝合わせの2段構成。貝殻の内面に和紙を貼り、初心者でも簡単に描けるサクラやバラ、アジサイなどを練習。慣れてきた終盤には、著名な作者が描いた作品にも挑戦する。講師は区内在住で貝絵文化協会会員の北野美千子さん(79)=人物風土記で紹介=が務める。
催しを企画したのは、貝絵文化協会代表の吉武克敏さん(75)と金子宮司。「御宮を新しくした記念に新しいことがしたい」という金子宮司と、「古くから伝わる日本文化の継承や、本来は破棄してしまう貝殻を有効活用したい」という両者の思いが一致し、開催が実現。吉武さんは埼玉県川越市で6年ほど前から貝合わせを企画しており、その経験に基づいたイベントになる。
吉武さんによると現在、貝絵の講師は全国に約30人しかおらず、貝合わせは存続の危機にあるという。開催テーマは「子どもたちが主役」。古き良き文化を若い世代に広めていく考えだ。金子宮司は「絵描きとゲームを楽しめるのは貝合わせならでは。親子連れでの参加も大歓迎なので、大勢で盛り上がってほしい」と参加者を募っている。
詳細などの問合せは金子宮司【携帯電話】090・7739・2772へ。
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