高津区 文化
公開日:2025.12.26
はしご車駆る 女性消防士
高津消防・熊澤さん
災害現場で、要救助者を地上へ救出するはしご車。市内8つの消防署に各1台配備されている同車両は、熟練の技術を持つ専門の消防士に運用を任されている。そんな中、当直勤務中は常にはしご車の運転と操作を受け持つ「正担当」を、女性として市内で唯一任されているのが、高津消防署の熊澤香織さんだ。
人命救助の第一線で活躍する熊澤さんの、思いとは―。
難関試験を突破
「人助けをしたい」という思いから、2009年に川崎市消防局に入局した熊澤さん。当初は予防課に配属され、庶務係や予防係などを経て、5年前からは当直勤務の警防課配属となった。
転機は、同僚からの「機関員の資格があると(現場に行く)チャンスが増える」という助言。元々自動車免許を持っていたことから、消防車両を運転する機関員としての道を志したという。
消防署の推薦で大型免許を取得した後、運転技術や操作技術を審査する消防署内の難関試験を突破。3年前にはしご車を運転する機関員として認められ、今年4月からは高津消防署のはしご車の正担当として活躍している。
安心安全「守りたい」
消防署の担当者によると、日本の消防士全体で女性の占める割合は3・7%(全国16万8898人中6124人)、川崎市消防局でも5・4%(1451人中79人)と少ない中、はしご車の正担当を任されるのは珍しいという。熊澤さんは「自分にしかできない人助けを常に追求し、市民の安心と安全を支え続けたい」と、熱い思いを語った。
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