多摩区・麻生区 人物風土記
公開日:2016.05.20
子育てスペースを運営する市民グループ「こつぶっこ」の代表を務める
市川 千恵子さん
東三田在住 66歳
親子に寄り添う活動続け
○…「子どもの遊びを見守りながら親同士でおしゃべりをして、子育ての経験談やちょっと気になることを話せる時間と場所を作りたかった」。子育てオープンルーム「こつぶっこ」を2011年に設立し、今年で5年目。市民館の児童室に、多いときは20組ほどの未就学児の親子が集まる。「保育者がおせっかいをやくのではなく、同世代の子を持つ親同士で自然と仲良くなってほしい」
○…発足のきっかけは、区内で起きた痛ましい事件。母親が育児を苦に自らの子をあやめたというニュースだ。「身近な場所で、多摩区はNPOや支援団体も多いと思っていたのに防げなかった。何かできることがないかと思った」と振り返る。親子で触れ合いながら、母親が気持ちを小さく気軽につぶやける場所にしたいと「こつぶっこ」と命名した。「先輩ママに『そんなこと、子どもが大きくなればなんてことないよ』と言われるだけで気が軽くなることもある。そういうことが大切」
○…東京都出身。結婚を機に川崎市に移り住んだ。マンモス団地だったため、近くの公園に集まる子育て世代の主婦たちで、青空保育をスタートさせた。外遊びや工作、お絵かきなど、工夫して保育に取り組むうちに、仲間との交流も深まっていった。自身の子育てでつらい時期があっても、保育仲間がいたから乗り越えられた。「子育ての悩みを正直に話せる相手がいた。聞いてくれる人がいてくれて、ありがたかった」
○…30年以上続けている子育て支援のほかにも、食生活や体操などさまざまな分野のまち活動に携わる。「いろんな人と知り合えることで、私自身も成長できると感じている」。「こつぶっこ」の最終目標は、親同士が仲良くなって子どもの預け合いができるようになること。「赤ちゃんと二人きりで家でこもっている人に存在を知ってほしい。生活の一部として通える場所にしたい」
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