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多摩区・麻生区 人物風土記

公開日:2025.11.28

歌手として福祉施設での慰問活動に尽力する
三井 砂奈さん(本名:池田洋美)
多摩区菅北浦在住

縁と心、歌でつなぎ

 ○…今年1月から数え、年末までに決まっているショーは100本超。町田市内のデイサービスなど高齢者向け福祉施設を中心にボランティアで慰問を行うほか、多摩区では町会の敬老会のステージにも立つ。縁が縁を呼び、出演した先で声をかけられ、また一つ公演が決まる。「楽しみにしてもらえるのがうれしい」と笑顔を見せる。

 ○…出身は八王子市。祖母も大叔母も一緒の大所帯で育ち、テレビから常に昭和歌謡が流れていた。「いつも誰かが口ずさんでいた。山口百恵を見て次は私があっちで歌う番、と信じていた」。20代半ばでジャズを始め、銀座や渋谷のナイトクラブで歌った。「ポップスをやりたくて」バンドも組んだが結婚後、妊娠・出産を機に休止。育児が一段落し「世界を広げたい」と受講した社会人講座がきっかけになり、設立されたパフォーマンス団体「川崎セブンスター」に参加。歌担当として今も活動する。

 ○…ある演歌を聞くと「絶対焼き魚の匂いがしてくるの。歌っていてもそう」。幼少期、おばあちゃんが焼いてくれたお昼ご飯の匂い。「聞いていた時の情景も浮かぶのが歌の力」。慰問先で、最後にボロボロ泣いてお礼を言ってくれる人がいる。認知症で言葉が出ないのに一緒に口ずさみ、職員が「初めて声を聞いた」と驚くことも。「役に立っているんだと、ありがたくて続けられる」としみじみ。「コンサートに来た気分になってほしい」と毎回衣装にも手を抜かないのが信条だ。

 ○…普段は主任児童委員として地域の子どもたちに寄り添う。アルトサックスの発表会を控えるほか、休日は筆ペンと絵で綴る、趣味の「己書」の創作にも勤しむ。「エネルギーをためて、また分けてあげたい」。まっすぐに微笑んだ。

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