市政報告 台風19号被災・地元で得た知見をオール川崎の防災指針に 川崎市議会議員 上原まさひろ
６月・９月議会地元視点で臨む
令和元年５月より川崎市議会議員の任を預かり半年。まちづくり委員会のメンバーとして、また６月は新人議員として初の質問に臨みました。内容は【1】市から町会等への支援、特に加入促進を【2】犯罪被害者支援法をわが市にも【3】看護大学以外にも医療職の育成を【4】南武線の痴漢を防ぐＪＲとの連携を―の４点です。
決算議会である９月議会・決算特別委員会では、生田緑地ゴルフ場の川崎市民優遇策などを提言。利用者のうち川崎市民は３分の１程度。市民に身近な存在とするため、利用料金の改定を求めました。また、登戸土地区画整理事業も順調に進んでいますが、次年度以降に予定されている商業地域での補償では厚めの予算取りを要求。再開発の影響を受けて人通りが少なくなる中、熱い想いで営業を続ける商店等の保証には、しっかりと気持ちで応えられる準備を進めるよう求めました。
生のコミュニケーションをさせていただいた地元の皆様の声を反映した政策展開ですが、今後も同様の泥臭い調査活動とこれに基づいた議員活動にしっかりと腰を据えたいと意を決し、10月11日の議会終了を迎えました。
わかりやすく実効性のある防災体制を
翌12日には、台風19号が襲来。被災されました市民の皆様には心よりお見舞い申し上げます。
今回の台風19号によって明らかとなった問題点を整理します。まずは災害時の連絡体制。本市では「風水害は市職員のみで対応する」という考え方ですが、今回の大型台風の襲来に際しても、避難所運営会議体には避難所の設置の連絡も来ませんでした。菅小学校避難所運営委員長の私にも連絡は来なかったので、前日に議員としてこちらから問い合わせました。
次にマニュアルの柔軟性の欠如。想定していた以上の事態が発生した際には、地域や関係団体にも協力要請できる柔軟性が必要です。事実、多摩区においては既存の避難所が想定をはるかに上回る避難者数となり、菅中学校・中野島中学校の避難所を追加せざるを得ませんでした。避難所追加の際には、中野島ではおやじの会などボランティアの皆様が、菅中学校では特に菅町会・避難所運営会議体が率先してタフな避難所運営に携わっていただきました。また、防災協定を結んでいる各種団体にも協力していただけたならば、市民への助けとなったこともあっただろうと考えます。
市職員６千人が総出で当たっても、１５３万人を超えた市民の防災体制の構築は難しいでしょう。避難所も全員が避難できる設計になっておらず、障害のある市民やペットの避難にも課題があります。特に近年は世界的な気温上昇傾向に歯止めもきかず、これまでと同じ体制では十分な防災となりません。防災には準備と柔軟性が求められます。自助・共助の考え方のもと、防災にご協力いただける地域や関係団体にしっかりと頭を下げて協力願うことで、確かな住民への周知につながります。効率的な防災体制を進めるべきです。
早期復旧のためマニュアル整備を
市のマニュアルとしてはまだ問題も多いです。市内のどこが、どの程度被災したのか、その周知すら十分ではありません。そんな中、多摩区および区長にはきめ細かく、柔軟な対応をしていただきました。区内においては菅稲田堤３丁目と堰１・２丁目が最も被災した地域ですが、近隣地区住民ですらその情報は届いていなかったと見えます。
その状況で、先の避難所追加の要請も他区を先駆けて動いていただき、また被災ゴミの収集についても休日の中、生活環境事業所と連携をとり、早急に収集対応していただきました。菅町会副会長としては、被災ゴミの撤去支援（細かい路地に出た被災ゴミを収集所に集める作業が中心）に会長・役員・理事の皆様と取り組みましたが、その集めたゴミもスムーズに撤去していただきました。この場をお借りして感謝申し上げます。
今回、区内各所において柔軟に動き、他区に先駆けて収集の向きとなりましたが、この知見を活かし、今後の川崎市における自然災害早期復旧のための全体策につなげていきたいと思います。
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