市の委託機関・かわさき里親支援センターさくら(菅)の責任者を務める 溝部 聡子さん 麻生区在住 31歳
個に寄り添い 縁つなぐ
○…養子縁組里親の相談窓口を担う「さくら」で社会福祉士・保育士として、2020年9月の開所から体制づくりに努めてきた。職員は6人、責任者になって1年。今月の「里親月間」では市民の理解を深めようと、市や関係機関、里親当事者と連携した初の啓発イベントを形にした。「各立場の思いがある。顔の見える関係をつくり、川崎の子どもたちのためになれば」と前を向く。
○…8年前、運営法人である厚生館福祉会の乳児院に就職。保護された子どもを預かり、養育里親へ引き渡す立場。交代制の勤務の中で、ずっと子どものそばにいてあげられない難しさを痛感した。一方、「たとえ1歳でも環境が変わるのは大きなこと。里親へいかに丁寧に移行してあげられるか」と、寄り添い続けた。知識をつけるため働きながら社会福祉士の資格を取得。幅広い目線で必要な支援へつなぐ。
○…大田区出身。音大卒の母の影響で小中とピアノに打ち込んだが、惹かれたのは小学校の金管バンドで手にしたトランペット。日本女子大附属高の部活、同大のサークルでも続け、市内の吹奏楽団に所属して10年以上。「息抜きにもなるけど、皆上手いからプレッシャー」とほほ笑む。大学時代は病棟保育や乳児院でのボランティアを経験。「集団を見るよりも一人ひとり、ケアが必要な子のために」との気持ちは今も変わらない。
◯…「里親と話したり子どもの様子を見たり、現場を大事にしたい」。乳児院で担当し、1歳で引き渡した子がやんちゃな小2になった。里親からの報告や誕生日の折に触れ、成長を見守った。「小さい頃のことを語ってあげられる大人が身近にいる。見守り続けてあげたいなっていう勝手な老婆心があって」。その思いを、地域に広げる。
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12月6日