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多摩区・麻生区 人物風土記

公開日:2024.09.27

川崎酒販協同組合の理事長を務める
細埜 隆己さん
多摩区登戸在住 74歳

登戸の今昔 見守り続ける

 ○…川崎市内約170の中小小売酒販店が加盟し、酒類や物品の共同購買事業の推進、上部組織の全国酒販協同組合連合会が発行するビール共通券の取扱いなどを行う「川崎酒販協同組合」の旗振り役を担う。40年超販売を続けている組合オリジナルの清酒『多摩ほまれ』は「冷やでも燗でもおいしく飲める」と胸を張る。「仲良く楽しく、コミュニケーションをとり、情報交換していきたい」と肩肘張らずに組織をけん引していく。

 ○…家業の「石橋屋酒店」は流通の拠点として栄えた多摩区登戸の旧津久井道沿いに立つ明治31年創業の老舗。酒販店になる前は蕎麦店、その前は浴場と、屋号は400年にわたり登戸の地で連綿と受け継がれてきた。「自分は酒屋として生きてきて地域の皆さんに可愛がってもらった。登戸に生まれ育って本当によかった」と相好を崩す。

 ○…登戸土地区画整理事業まちづくり推進協議会、登戸東通り商店会会長や川崎小売酒販組合西支部長、登戸東本町会理事ほか20を超える地域団体で要職を務める。「昔から住んでいる人は皆知り合いだから、何かあってもだいたいのことは丸くおさまる」と気負わない口ぶりで微笑む。登戸再開発が佳境に差しかかる中、「新旧の住民がうまく交わってくれたら」とまちの未来を思う。

 ○…多忙の合間を縫って楽しむのが散歩。朝夕と多摩区内を西へ東へ日に2万歩、多い時は3万歩以上。市の健康ポイント事業「かわさきTEKTEK」でもランキング上位をキープする。酒量は多くはないが「何でも飲むよ」。特に日本酒のきき酒が好きだ。店は妻と子と一家で切り盛り。「昔は一銘柄をずっと飲む人が多かったけれど、今の人はいろいろなお酒を楽しむね」と酒屋の主人の顔に戻り、笑った。

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