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多摩区・麻生区 意見広告

公開日:2025.07.18

市政報告
「がんと共に生きるためには」
〜自らの体験から見えた課題。生活習慣と心の在り方を支援する仕組みを市に提案〜川崎市議会議員(多摩区) かがみ まさひこ

 がんと共に生きていくためには、治療だけでなく、生活習慣や心の在り方そのものを見直す支援が必要です。私自身の体験を通じて抱いた問題意識から、議会でも具体的な支援の仕組みを提案・要望させていただきました。

 私は2012年、直腸がんと胃平滑筋肉腫の2つのがんを同時に罹患。直腸がんは寛解しましたが、胃の平滑筋肉腫は再発し、肺に転移。「ステージIV」と診断されました。平滑筋肉腫は発症例が極めて少ないがんであり、標準的な治療法が確立されておらず、抗がん剤治療も効果は限定的とされています。私は手術・抗がん剤治療以外の選択肢を模索、その中で出会ったのが、岐阜の医療施設「リボーン洞戸」と、その院長である船戸崇史先生の考え方です。「がんには、がんの言い分がある」「がんは”生き方”の通知表」。その言葉に、私は強く心を動かされ、これまでがんの背景にある生活習慣や働き方、そして心の抑圧に向き合ってこなかったことに気づかされました。治療に専念するだけで、がんが私に何を伝えようとしているのか、自分の生き方に目を向けることはしませんでした。過度なストレス、無理な働き方、感情を抑圧するような日常…。がんの根底には、そうした「生き方のひずみ」があったと思います。船戸先生は「本来、人の体は治りたがっており、それを邪魔する生き方、我慢、頑張る、頑固の”3Gの生き方”が、がんを引き起こす」とおっしゃっています。振り返れば私も、まさにこの3Gの生き方をしていました。「こうあるべきだ」「期待に応えなければ」「弱音は吐けない」。そうやって自分を追い込んできた結果、がんという形で現れたのかもしれません。私は船戸先生が提唱する「自然治癒力を引き出す5か条」を取り入れ、初めて自分の体や心の声に正面から向き合うようになりました。それは単なる健康法ではなく、まさに「生き方の再設計」と呼べる取り組みです。

 今や日本人の2人に1人ががんになる時代。がんを「克服すべき病」として捉えるのではなく、「がんと共に生きる」という視点が求められており、再発を防ぎながら、がんと共存していく「共生の視点」がこれからの社会では欠かせません。がんは単なる病気ではなく、生活習慣や心の在り方と深く結びついており、医療的な治療だけでなく自分の生活を見直し、生き方そのものを軌道修正することが、がんの予防や再発防止において極めて重要です。しかし現実には、私が通っていた病院を含め多くの病院では退院時に栄養指導が行われる程度で、生活全体に関する支援は殆どなく、再発を防ぐには食事だけでなく心や暮らしに寄り添った包括的支援が必要です。そこで私は、市内がん診療連携拠点病院においても、単なる栄養指導に留まらず、「自然治癒力を高める生活支援」や「再発予防を目的とした生活の軌道修正支援」の導入を議会で提案・要望。市は、具体的な支援手法や患者への情報提供の在り方について、がん診療連携拠点病院等と協議を進めていくと答弁しました。

各務雅彦

川崎市多摩区南生田5-14-11

TEL:044-948-7840

https://kagamimasahiko.com/

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