多摩区・麻生区 意見広告
公開日:2025.08.29
市政報告
川崎市とふるさと納税の複雑な関係
みらい川崎市議会議員団(麻生区) 鈴木朋子
9月は川崎市の決算議会の時期。必ず話題になるのが、「ふるさと納税」です。
個人ベースでみれば物価高騰下の救世主?
ふるさと納税は、節約をテーマにするコンテンツでおすすめとしてしばしば登場します。魅力的な返礼品などいいことづくめにみえますが、その裏で川崎市の市税収入は大きく影響を受けています。8月に発表された川崎市の令和6年度の流出額は138億円。昨年度より15億円増加し、過去最高額を毎年更新中です。
普通交付税とふるさと納税の関係
本来、ふるさと納税での流出額は、国からの地方交付税で75%が自治体に戻るしくみです。しかし、川崎市は4年連続で普通交付税不交付団体に該当し、戻る分はゼロ。現状を知ってもらおうと南武線車内等に掲示したポスターがSNSで話題になったこともありますが、状況は変わっていません。
寄附受入額も増加
以前は「返礼品競争には参加しない」という態度だった川崎市。現在は税収奪還のため、ふるさと納税寄附受け入れ額の拡大へシフトしています。令和6年度は26億円と過去最高額でした。日用品や電化製品が人気を集め、増額につながったとのことで、実用重視の物価高騰対策としての利用が垣間見え、時代の変化を感じます。市は今後も取り組みを強化していく方向ですが、受入額が増える一方で、流出額も増え続けているのが現実です。
たらればの夢よりも
この状況を打破しようと、「もし流出した○○億円があれば○○が実現できます」と説明したくなります。しかし、物価高騰という現実の前に、仮の話は響きません。厳しい時代の中で、市政への当事者意識を持っていただくためには何が効果的なのでしょうか。
まちへの安心と信頼をつくるもの
特に麻生区は、仕事も学校も東京都に通い、市への帰属意識は高くない方も多く、財源が豊かな東京都の住民サービスを横目で見ながら暮らしています。自治体間格差の是正は、本来は国が取り組むべき課題であることは理解しますが、他方で川崎市が市民の生活に寄り添い、積極的に取り組む姿勢をみせれば市民の信頼と関心はその分上乗せされ、当事者意識を育むように思います。先行投資として「川崎市に住んでいてよかった」と思える生活密着型の施策を積極的に打ち出し、市への納税の土台を強化することも必要と考えます。皆さんはどのようにお考えになりますか。
みらい川崎市議会議員団 鈴木朋子
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TEL:044-200-3355
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