第68回NHK杯全国高校放送コンテストの準決勝が7月26日に行われ、法政大学第二高校の放送部が創作テレビドラマ部門とアナウンス部門で入選した。入選以上を獲得したのは、創作テレビドラマ部門では357作品中10作品、アナウンス部門では3129人中60人のみ。全国一が決まる決勝進出は逃したものの、同部の渋谷華也乃部長(2年)は「みんなでつくり上げたものが評価されてうれしい。コロナの状況に左右されたが、やり切れて達成感がある」と笑顔で語った。
「宣言に救われた」
同部は「求ム青春」という作品で、創作テレビドラマ部門に応募。冴えない女子高生2人が、明るく人気者の同級生との関わりを機に、校内のさまざまな問題を解決するストーリー。2、3年生6人が中心となり脚本から撮影、編集まですべてをこなした。撮影では他の部活動の音が入り込むハプニングに悩んだが、緊急事態宣言の発令でゴールデンウィーク中は大会前以外の部活動は休止に。静まり返った校内で一気に撮影を進めることができた。渋谷部長は「不慣れな部員が多かったこともあり、5月時点でかなり押していた。宣言は正直、不幸中の幸い」と振り返る。
先輩の無念背負い
アナウンス部門で入賞したのは、早瀬太亮さん(3年)。同校が取り組む救命法の授業をテーマに、1分半のスピーチを行った。普段から腹式呼吸を心がけ、本番時に良い発声ができるよう鍛錬。原稿作成では、卒業生に連絡しアドバイスをもらい、提出直前まで推敲した。「昨年の大会は中止になり、出場すらできなかった先輩もいる。思いを背負い、全力を発揮しなければいけないと思った」と話す。
早瀬さんは同大会を最後に引退。「未経験で飛び込んだ放送部で、まさか全国に進めるとは思わなかった。3年間で鍛えた『声』は今後、コミュニケーションの場などで役立てていけたら」と自信を見せる。
「来年こそは決勝の舞台に立ちたい」と渋谷部長。「朗読や物語などジャンルが幅広く、部員の嗜好もそれぞれで個性豊か。刺激し合い、次はオンラインではなく会場で喜びをかみしめたい」。全国常連校の伝統を胸に、互いを高め合いながら一致団結し、次の「夢」を思い描く。
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