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中原区 人物風土記

公開日:2023.03.10

江川せせらぎ遊歩道ボランティアメンバーで水琴窟を自作した
村越 俊之さん
井田三舞町在住 66歳

地域の笑顔を生きがいに

 ○…江川せせらぎ遊歩道で共に維持管理するメンバーの一人から日本庭園にある水琴窟を作れないかと相談を受け、技術職人としての血が騒いだ。文献を読みあさり、実験を重ねて自作。「まだまだ改良の余地はあるけど、納得のいく音色が表現できた」と笑顔を見せる。譲り受けたつぼ以外の材料は、100円ショップなどで買いそろえて加工したもの。水を注ぐふたに使ったのは鉢植えの下皿で、色を塗り、小石を並べて雰囲気を演出した。

 ○…「これって、どうなってるんだろう」。小さいころから機械の仕組みに興味があった。柱時計を分解したときは叱られたが、懲りなかった。「ハンダ付けが得意だった。ケーブルをつないだり、物を直すことに魅せられ、使い続ける大切さが身に付いた」。大学で電気工学を学び、入社した鉄銅メーカーを定年まで勤め上げた。

 ○…中原区に住み始めたのは転勤で東京勤務になった1997年から。昨年4月に定年退職し、「引退後はどう過ごそうかと不安もあったが、地域とつながることで毎日が充実している」。今は子ども時代から続ける写真と、60歳を過ぎて始めた自転車を楽しむ時間がぐっと増えた。毎日自転車で10キロ以上走り、季節の花のスポットへ出掛けて撮影している。「最近は水琴窟を目的に寺社を巡ることも増えたね」

 ○…遊歩道での作業中、散歩を楽しむ人たちが気軽に話し掛けてくれるのが喜びだ。「水琴窟を知る人も多く、立ち止まって音色を聞かせてほしいとせがまれる」。アジサイの栽培について教えてもらったことがきっかけで知り合ったボランティアメンバーには人生の先輩も多い。これからは、第二の人生を迎える人たちの力になりたいと考えている。

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