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中原区 意見広告

公開日:2025.09.26

市政報告
何のための再開発か等々力緑地再編整備(了)
川崎市議会議員 松原しげふみ

 何のための、誰のための再開発なのか、公園づくりにはそのプロセスが重視されなければなりません。そして、住民自身がそのプロセスの主役であることが重要であります。私が本紙タウンニュース6月号から8月号の3回にわたり、再編整備について報告させていただいたのは、市民の財産である等々力緑地の再編整備は行政と整備運営を担う企業だけでなく、そこには市民の声が反映されなければならないとの思いを持ってのことであります。

 始まりは、平成29年6月、都市公園法の改正の趣旨を踏まえ、陸上競技場の整備、公園内施設の一体的・横断的な維持管理、利活用を対象として民間活力の導入を含めての取り組みの検討からであり、平成31年2月、PFI法に基づく日本で初めての公園再整備事業に関した民間提案として「等々力緑地再編成整備・運営等に係る民間提案」を受け、施設の老朽化や防災の充実、社会環境への対応、令和元年東日本台風による被害の発生などの新たな課題が顕在化していたこと等に対応するため、令和4年2月に「等々力緑地再編整備実施計画」を改訂し、令和5年4月からはPFI法に基づく事業手法を活用し、再編整備と管理運営一体の事業が開始され、等々力緑地の「目指すべき将来像」の実現に向けた設計を進め、現在に至っております。

 目指すべき将来像が揺らぎ始めたのは平成6年6月に開催されたオープンハウス型整備事業説明会において、整備運営を担う企業が突如「自由提案施設」として多くの市民が利用している広場とテニスコートの2カ所(写真)に立体駐車場、子どもの遊び場に大型商業施設とスーパー銭湯、緑地広場に飲食、物販施設が18カ所建設され、その結果多数の貴重な樹木を伐採する可能性があることを打ち出しました。これら企業の提案に対し、市は開発の目的に沿うか、市民の意見を尊重した事業の見直しを含め、許認可については適切に指導、監督することを求めた住民の声は大いに理解するところであります。これらの提案に対しての市の取り組み内容はこれまで3回にわたり、本紙で報告させていただいた通りでありますが、8月に行われた説明会では、遊具や水遊びが可能な新たな広場の整備や立体駐車場の平面化、緑を保全するエリアの設置を盛り込んだ計画の見直しが示され、膨れ上がった事業費については仕様の見直し等による縮減が必要であるとの考えも示されました。

 心なしか等々力緑地にも秋の気配が漂ってきました。市民の財産である等々力緑地を未来の世代に手渡す責務があると思っております。

松原しげふみ事務所

中原区新城5-2-3

TEL:044-751-8855

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