中原区 意見広告
公開日:2025.11.21
市政報告Vol.31
交通事業80周年記念事業の是非
川崎市議会議員 重冨たつや
川崎市交通局は昨年度、交通事業80周年記念事業として、バースデーイベントや記念グッズ販売などの取り組みを約3000万円かけて実施しました。多くの方に市バスに親しんでいただくこと等を目的として実施されましたが、皆さまの実感はいかがでしょうか。
公営と民営の差
今回、公営企業である市バスが記念事業を実施しましたが、その財源は市税ではなく、基本的にはバスの乗車料収入となっています。これは、公営企業が原則として自立した経営を求められていることに起因します。そういった意味では、民間企業と同様に自らのサイフの中から捻出できる範囲で、顧客への還元や認知度向上を目的として記念事業を実施したものと考えられます。しかし、市が市バスに対して一切の財政支援を行っていないということはなく、公共性の高い路線などに対しては継続的に一定の支援を行っています。ここは公営と民営で明らかに異なる点です。また交通事業者である以上、経営状況によっては減便や料金引き上げなどが行われるため、市バスが健全な経営を行っていくことは市民の移動手段を安定的に確保していくためには重要なことだといえます。
記念事業のあり方
事業開始から80年の節目を何かしらの形で市民と共有したいという考え方は理解できるものですが、コロナ禍の収支不足を補うための資金調達として臨時的に発行した約20億円の企業債の償還が続く中で、果たしてこの約3000万円の支出が妥当だったのかについては疑問を感じざるを得ません。また、市バスの1日あたりの運賃収入は約2100万円ですので、約3000万円の支出は1日全線無料にできる規模の金額といえます。
今後、市バスの利用者が大幅に増加することは見込まれず、慎重な経営判断が必要な状況が続きますが、可能な限り減便や料金引き上げせずに済むような取り組みを引き続き求めてまいります。
重冨たつや
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