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公開日:2012.01.20
落語で知って夢見ヶ崎伝説
いしあたまさん3冊目の本出版
「さいわい寄席」を主宰する幸区古川町在住のアマチュア落語家・清流亭いしあたま(本名=深見政則)さんが、自身の創作落語をまとめた「落語『夢見ヶ崎』道灌外伝」を出版した。
08年の「かわさき落語草紙」、10年の「落語 二ヶ領用水物語『小泉次大夫』」に続く、3冊目の刊行。夢見ヶ崎と道灌をテーマにした創作落語は、いしあたまさんにとって悲願でもある。
夢見ヶ崎の名称は、江戸城を築いた室町時代の武将・太田道灌が加瀬山に城を築こうと計画したところ、ワシに兜(かぶと)を取られた夢をみた話に由来する。武将が兜を取られることは戦での負けを意味し、縁起の悪いことから築城をあきらめたとされている。
いしあたまさんは、母親の生家が夢見ヶ崎で、自身も戦争で疎開し、小学校に上がるまでの5年間をこの地で過ごし、道灌と夢見ヶ崎の話をいつも聞かされていたという。
夢見ヶ崎に縁起のよいストーリーをと考えつつも「古典落語『道灌』が有名なため、なかなか思い浮かばず、諦めていた」。
「加瀬山に 立ち道灌に会う夢路」との句がある時夢に浮かんだ。「これだ」。すぐにストーリーを完成させた。推理ドラマのような構成でテンポもよく、うまくいったという。
いしあたまさんによると、「夢見ヶ崎の由来を知っている人は多いが、とられた兜がどこにいったかを知っている人は意外と少ない。落語本を通じて笑いながら知ってもらえれば」と話す。
同書ではこのほか、自作、江戸小噺などを織り交ぜた小噺365日「一日一話」や古典落語の名作「芝浜」を立体落語にした作品を収録。
まつ出版刊で四六版の210ページ。価格は1260円(税込み)。県内書店で発売中。
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