川崎消防署長として署員142人をまとめる 山口 高広さん 中原区在住 56歳
街を愛する行動派
○…4月から川崎消防署の署長に就任。東日本大震災を受け、津波などへの対策が迫られる川崎区で「多様化する自然災害に対応できるよう、区の防災能力を高めていくこと」を目標に掲げる。そのために重要となるのが、区民一人ひとりの防災意識の向上だ。AED(自動体外式除細動器)の扱いを学べる市民救命士講座を積極的に開催するなど、緊急時に適切な処置を行える市民の育成に力を入れていく。
○…中原署長時代には市内初の試みとして「災害図上訓練DIG」を中学校で実施した。DIGは地図を使って災害時の避難経路などを確認し、対策を考える訓練。中学校で開催したのは、住宅地から人出が減る平日昼間の貴重なマンパワーとして、中学生に目をつけたからだ。また同訓練は、中学生たちが自身の住む街について知る機会となったほか、指導に参加した近隣の住民との交流のきっかけになるなど、成果を出した。こうした経験を生かすため、現在は川崎区内の中学校ともDIG実施などについて話し合いを進めている。
○…休日であっても地域の会合に顔を出すなど、家で過ごす時間はほとんどない。すでに7月のスケジュールまでいっぱいだといい「妻も諦めてるんじゃないかな」と笑う。中学ではサッカー、高校ではバドミントンでならしたスポーツマン。若いころは勤務後にスキー場に直行。スキーを終え、そのまま仕事に戻ったことも。空き時間を見つけてプラモデルを作るのも趣味の一つ。署長室の奥には「2年間かけて組み上げた」という自慢のSLが飾られている。
○…生まれも育ちも川崎市。街の様子の移り変わりを肌で感じてきた。消防の仕事に就き、川崎と密に関わるようになってからは、さらにその歴史や技術都市としての一面に惹かれるようになった。「人・街を愛すること」が信条の行動派は、よりよい街のベース作りに今日も奔走する。
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4月26日
4月19日