川崎区・幸区 人物風土記
公開日:2025.12.05
2025年度川崎市文化賞のアゼリア輝賞を受賞したピアニストの
田久保 萌夏さん
幸区在住 25歳
地元への感謝、音で届ける
○…川崎市内で文化や芸能分野で貢献し、今後の活躍が期待される若手として表彰を受けた。憧れのピアニストらも受賞してきたため「連絡が来た時はびっくりした」と振り返る。幸区で生まれ育ち、国内外のコンクールで評価を受け、海外での演奏も経験。昨年は母校の昭和音楽大学の公演に出演するなど、培ったその才能を川崎で発揮してきた。世界での活躍も志しながらも、地元を大事にする思いがあり「生まれ育ったまちへ、音楽で恩返しをしたい」。
○…ピアノに触れたのは2歳の時。人見知りな性格を変えたいとの母の思いだった。初めての演奏から両手を使って音を奏でたりと周りを驚かせた。「ただただ楽しかった」とそこから日夜次々と譜面に挑むように。小学2年の時に訪れたミューザ川崎のコンサートで同郷の小川典子さんのピアノ演奏を鑑賞し、ピアニストになることを決意。後に同イベントでの凱旋コンサートで、小川さんと共演も果たし「感慨深かった」と話す。
○…高校は県内の音楽科に進み、練習とコンクールの忙しい日々からピアノの上で寝たことも。忘れられない思い出はショパン国際ピアノコンクールin ASIAで好成績を収め、ポーランドのショパンの生家で演奏したこと。幼き頃の願い事でもあり、「叶った夢の1つ」と語る。
○…コンクール前は、好きなアニメ鑑賞で緊張をほぐしたりと、等身大の女の子の一面も。今の目標は「クラシックをもっと身近なものに」。『名曲コンサート』と題した自身のピアノのリサイタルも一度は耳にしたことがあるような選曲にしている。「ピアノの音は言葉そのもの」と話し、「楽譜から浮かび上がる物語を一人でも多くの人に聞いて欲しい」と、今日も練習に励む。
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