川崎臨港警察署の署長として陣頭指揮をとる 森一(はじめ)さん 区内在住 59歳
「足」で地域を知る
○…先月9日に川崎臨港警察署の署長に就任。署員141人の指揮を執る。警察官としての初任地も川崎区。新人時代を過ごした30年前と比べ「聞いていた以上に発展している。人口や店舗も増え、活気が出てきた」と区内の印象を語る。身近な犯罪を取り扱う生活安全課でキャリアを積んできたこともあり「市民目線が第一。住んでいる人、働いている人、訪れる人の安全安心の確保に署員一丸で当たりたい」と力を込める。
○…管内を知るために、実際に街を歩いて回ることを大切にしている。「自転車や車だと見落としがある。歩けば地理や風土もわかる」。近年集合住宅が増えている臨港署管内では「人や車の流れが変化している。それを把握できれば、対策にもつながる」。同じ地域を時間を変えて歩き、昼と夜の違いを確かめることもあるのだとか。フットワークの軽さもさることながら、下調べも入念。鎌倉署長時代には地元のタウン誌や郷土資料、観光パンフレットを観光協会から取り寄せ、片っ端から目を通した。
○…「身内に警察官はいませんが、おふくろが警察の大ファンでね」。社交的な性格の母親は、巡回に来る警察官にも丁寧にお茶を出し、長く話し込むことがよくあったという。「おまわりさんが私にも話しかけてくれて。だから警察官は小さいころから身近でした」。大学卒業後に神奈川県警に就職すると、母親も大いに喜んでくれた。「いまだに『不祥事は絶対ダメ』と激励されます。いくつになっても、親から見れば子どもなんだね」と笑う。
○…息抜きは読書。歴史小説を中心に週に1、2冊は必ず読む。もっとも影響を受けたのは司馬遼太郎の『坂の上の雲』。新人時代に熱中し、登場人物たちの「青雲の志」には何度も背中を押されてきた。自宅は横浜市だが、現在は川崎区内で単身赴任中。慣れない炊事、洗濯、掃除に「妻のありがたさがつくづくわかるね」と頭をかいた。
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5月3日
4月26日