『アミガサ事件100年の会』の発起人で世話役を務める 織戸 美紀世さん 中原区在住 73歳
先人の勇気後世へ伝える
○…多摩川の度重なる氾濫に苦しみ築堤の早期実現を求め、住民が県に直訴した『アミガサ事件』から今年で100年。当時タブーとされた直訴を実現した歴史的にも稀であるこの史実を後世に伝えるべく、『アミガサ事件100年の会』を発足させ、世話役を務める。現在は、事件当日に住民が集まった八幡大神に顕彰碑を建てるため、地域住民への協力の呼びかけや神社側との折衷に奔走中だ。
○…アミガサ事件100年の会発会を思い立ったのは昨年の3月。自宅で資料整理をしていた際に、この節目に気づいた。「事件の当事者と血縁であったこともあるが、現在平間地区に住んでいる人たちにも、この土地が先人達の決死の勇気によって、今なお守られていることを知ってほしかった」と話す。
○…生まれも育ちも中原区平間。幼いころの遊び場は多摩川と八幡大神だった。「神主さんが分けてくれる赤飯がご馳走だった。戦後の何もなかった時代。地域に育てられた」と振り返る。定年後は、栃木県塩谷町に移住し多くの文化人と交流。また率先して地域のイベントを企画し、すぐに溶け込んでいった。町の人から「塩谷町の人より塩谷町に詳しい」と太鼓判を押されるほど。その後、震災を機に親族の多い中原区に戻ったが、「塩谷で学んだ地域文化の大切さをここでも伝えていきたい」。
○…趣味は盆栽、カラオケ、健康麻雀など幅広い。「誘われたら断らず何でもやってみる。そのほうが人生面白い」と豪快に笑う。中でも盆栽は年に2回仲間と即売会を行い、その利益を市に寄付し、2回表彰されている。「自分たちの趣味を地域に役立てることが出来るなら嬉しい」。今後の活動については「これからも地域の歴史や文化継承に貢献していきたいという思いが強い。アミガサ事件をはじめ、平間には知られていないことがたくさんある。それらを掘り起し、後世に伝えていくことに力を注ぎたい」。
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4月26日
4月19日