2月に設立した「かわさきベトナム人留学生支援会」の代表を務める 黒江 乃理子さん(本名 三栄子) 本町在住 58歳
「懸命な留学生支えたい」
○…本町でダンススクールを主宰するかたわら、日本での進学を目指すベトナム人留学生たちの支援を行う。「文化の違いに戸惑う子は多い。仲間と集まれて、日本の常識を学べる場所が必要」。土日になるとスタジオを開放し、提携する日本語学校の卒業生らを招待。毎回20から30人にダンスを教え、夕食をともにする。「繊細な子が多いので、恋愛相談も受けています。日本で結婚し、家庭を作ることもあるのだから、不安は解消してあげたい」
○…18年前、ベトナム人ダンサーに民謡を指導したのが交流の始まり。00年にそのダンサーが文化交流生として来日した際に身元引き受けを行うと、徐々に縁を頼った留学生たちが集まるようになった。交流を通じて感じるのはベトナム人の持つ熱意。「お祭りに出店した時も手を抜かなかった。仕入れや呼び込みの工夫で、黒字を出したんです」と驚く。そんなひたむきな姿勢への感動が、支援を続ける原動力となっている。
○…宮前小、川中島中、県立川崎高出身。4歳から舞踊に親しみ、明治大在学中にはジャズダンスに熱中。28歳で渡米し、ブロードウェイで7年間ダンスを学んだ。帰国後はダンス講師として活動。母と叔母、夫との4人暮らしで子どもはいないが、スタジオには幼児や小学生の生徒も多く「じゃりんこ達がどんどん入ってくる」と嬉しそうに話す。留学生にも生徒にも、母親のような温かさで寄り添う。
○…支援の幅を広げようと任意団体「かわさきベトナム人留学生支援会」を2月に設立。4月には中島に学生寮を開設し、勉学との両立や文化への不慣れでアルバイト探しに窮する留学生らを受け入れる。寮生が日本文化に溶け込んでいけるよう、地域の廃品回収や清掃活動の手伝いも積極的に行う予定。地域住民対象のベトナム語教室も企画している。「何でも一生懸命に取り組む彼らは、地域を活性させてくれる存在。気軽に声をかけてほしい」
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4月26日
4月19日