社会福祉法人青丘社が運営する川崎市ふれあい館館長の三浦知人さんが3月31日付で退任した。これに先立つ3月27日には、桜本の同館で記念講演会が開かれ、三浦さんは「差別に向き合う」をテーマに、青丘社での約40年にわたる実践活動などを振り返った。
三浦さんは1954年生まれ。78年に社会福祉法人青丘社職員となり、2010年から館長を務めた。
講演で三浦さんは「学生時代、在日コリアンの子ども会活動を通じて、在日と出会い、戦争と差別の歴史、差別の生活課題を知った」と述べた。そうした中、戦争と差別については「表と裏の関係。差別が厳しくなれば、戦争が近づく」ことを実感。また、差別は再生産されているとの認識を深めたとした。
88年に設立された市ふれあい館については「地域社会の中で差別のない施設が税金で運営された。川崎市が日本の社会を豊かにする舵を切った一歩を示した」と意義を強調。その一方で「全国から多くの視察があったにも関わらず、第2、第3のふれあい館が造られなかった」とも述べた。
青丘社、市ふれあい館の活動についても言及。子育て、教育、高齢者、障害者、人権、まちづくり、多文化活動と活動領域が広がり、地域に根を下ろしたのは「誰もがやらない様々な生活課題を『私たちがやらねば』と感じて取り組んだ結果」と話した。
今後は子どもの居場所づくりや貧困問題への取り組み強化の必要性を指摘。地域の中での実践活動だけでなく、「区との連携を深めることにシフトすべきだ」とも語った。
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市ふれあい館は、原千代子さんが4月1日から館長に就任したと発表した。
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