東京ゆりかご幼稚園の設計・建築を手掛け第10回キッズデザイン賞で内閣総理大臣賞を受賞した 渡辺 治さん 鋼管通在住 56歳
「建築家じゃない、科学者だ」
○…子どもの安全・安心と健やかな成長発達に役立つ製品、空間、サービス、研究などを顕彰する「第10回キッズデザイン賞」(NPO法人キッズデザイン協議会主催)で最優秀賞にあたる内閣総理大臣賞に東京ゆりかご幼稚園などと共同受賞した。一報を受け「まさか」と思ったが、多くの幼稚園や保育園舎の設計・建築を数多く手掛けているだけに「感謝する機会が得られた」と語る。
〇…受賞作「東京ゆりかご幼稚園+里山教育」は、同幼稚園がより理想的な里山教育行うため、八王子市内に新たな土地を購入して移転。その場所に里山や大自然につながる長さ100メートルの縁側を設けた1階平屋建ての園舎を建て、園庭には小川や棚田をつくった。建物は1年で1週間しか冷房を必要としない自然冷房となるなど里山民家の知恵が凝縮。子どもたちの創造性と冒険心を育む懐かしくも新しい教育の在り方がキッズデザインの理想を示すにふさわしいと評価された。
〇…中学生の頃から天文にのめり込み、理論物理学を学ぶため、北海道大学に進学。教養課程で選択した図学演習の教授に「絵が上手いのだから建築家になって天文台をつくればいい」と勧められたのを機に、建築学科へ進学。アメリカ留学時代には環境心理などを学んだ。こうした経験から都市計画やまちづくりは人の行動や価値観、政治、憲法などが関わっているという。自身を「建築家でなく科学者」とも評する。
〇…事務所を構える田島地区は「強い絆で結ばれたコミュニティー」。家族的な絆のある所に素晴らしい街ができるとの信念がある。以前、県立川崎南高校跡地を公園にと、市民運動を行ったのもそうした理由から。夢は叶わなかったが、埼玉県入間市の米軍ハウスジョンソンタウン地区(入間市)の再開発を手掛け、2015年度には国交省が選ぶ日本都市景観大賞を受賞し全国から注目を集めている。
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5月3日
4月26日