川崎区・幸区 人物風土記
公開日:2019.07.12
東海道かわさき宿交流館で寄席をひらく社会人落語家の
喜楽亭 笑吉さん(本名:依田 耕一)
川崎区役所職員 47歳
粋と笑いを追い求める
○…「醍醐味はいろいろな役になりきれることですね」と落語の魅力を語る。川崎区役所の職員として働くかたわら社会人落語家として年間約40回ほど高座にのぼる。「笑いと健康」をテーマに掲げ、町内会や社会福祉協議会が行う高齢者の会食会などで披露したり、自ら寄席を主催もする。
○…落語を始めたきっかけは、20年ほど前、テレビで10代目桂文治さんの落語を見たこと。漫才やコントなど、笑いはもともと好きだったが、落語には興味がなかった。しかしこの時は演目の「やかん」の話の面白さ、語り口などすべてが心に刺さり、「こんな風にしゃべりたい」と思った。その頃、「さいわい寄席」の存在を知り、主宰するアマチュア落語家の清流亭いしあたまさんに弟子入り。芸名はめでたそうな文字を組み合わせて自分でつけた。入門約2カ月で初高座。演目は落語を始めるきっかけになった「やかん」。「やさしいお客さんばかりで、ウケがよく、高座にのぼる快感を覚えました」
○…家族は妻と高2の長女、小6の長男。落語をしていることで長女とは役作りの話で盛り上がり、長男は舞台に上がることをすごいと言ってくれるが、「妻は褒めてくれない」と苦笑い。今年になって話の筋を聞かせる訓練のために、講談を習い始めた。以前は話の途中の唄のために小唄を習ったこともある。毎日30分くらい欠かさず稽古するなど、落語漬けの日々だ。
○…1000以上あると言われる古典落語の中で現在の持ちネタは50席。言いたいせりふがあるかどうかを基準に選んできた。今後100席まで覚えるのが目標だ。「面白いという要素以外に『粋』を表現するのが古典落語。『粋』とは強がりともいえる生き様。それを自分も表現したい」
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