第22代幸消防署長として144人の署員を牽引する 望月 廣太郎さん 川崎区伊勢町在住 54歳
人生恩送り
○…「助けてほしいと差し出された手を握りそびれることのないように準備をしよう」が署員への訓示だ。今年4月の就任時は「清く、正しく、美しく、明るく、楽しく、元気よく仕事をしてほしい」と挨拶。国際消防救助隊(IRT)や水難救助隊といった自身の厳しい経験も踏まえ、署員144人を牽引する。
○…1984年入庁。4年目からレスキュー隊員として活動し、臨港署、幸署勤務時は水難救助隊員も兼務。1995年1月の阪神・淡路大震災の時はIRTとして小向河川敷からヘリで神戸に向かった。生存者を助けるために、死者の救出を後回しにしなければならない厳しい現場を経験した。その後、総務系の仕事を多くするようになり、消防の仕事の全貌を知ることができた。
○…横浜市出身。子ども時代から体が大きく丈夫だった。「学校は休むな」という父親の教えで小・中・高と無遅刻無欠席。その父親が中学時代に倒れ収入が激減。生活が苦しくなるなか、当時、福祉に力を入れていた川崎市に転居した。高校卒業後、世話になった川崎市に恩を返そうと消防の道に。仕事に邁進し「恩を返し切った」と思った時期もあった。しかし「生きるということは誰かに何かを借りること、生きていくということはそれを返していくこと」という言葉に出会い、仕事を続けることで受けた恩を次の人に送ろうと思った。
○…災害時に身を守るための判断には正しい知識が必要で、そのうえで何かをやるには技術も必要になる。そのために市民には自主防災訓練に参加するなどの備えをしてほしいと呼びかける。「災害は無いにこしたことはないですけど、我々はいつでも実力を発揮できる準備はできています」と力強く語る。
|
|
|
|
|
|
4月26日
4月19日