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川崎区・幸区 社会

公開日:2021.01.08

川崎警察署・川崎臨港警察署・幸警察署
ルール・マナーを守ってなくそう自転車事故

  • 事故の多い新川橋交差点

 一瞬にして人生を狂わせかねない交通事故。起こす側にも、巻き込まれる側にもなりたくないもの。川崎区、幸区内における交通事故件数は減少傾向にあるものの、自転車関連の事故の比率が高い。川崎警察署、川崎臨港警察署、幸警察署の各署長に現状と対策を聞いた。

 川崎区、幸区とも神奈川県内の「自転車交通事故多発地域」に指定されている。神奈川県で交通事故件数に占める自転車事故の割合は平均で22〜23%。一方、川崎警察署管内は昨年11月末時点で交通事故410件中184件(約45%)、川崎臨港警察署管内は206件中65件(31・6%)、幸警察署管内は236件中73件(30・9%)と県平均を大幅に上回る。事故件数は自転車と自転車の事故で100%、自転車と自動車だと50%でカウントされるので、実際の自転車事故件数は倍と捉えられる。

 両区とも出会い頭の事故が多く、一時不停止、信号無視、逆走などルールの違反が目立つ。川崎区の新川橋交差点は昨年10月、県内の事故多発地点ワースト1になった。特に歩道上での自転車と歩行者の事故が多いという。

 自転車関連事故の多くは20歳以上で、川崎臨港警察署管内では65件中53件(約81・5%)以上というデータも出ている。高齢者の割合も増えている。川崎警察署管内ではこの5年間で事故を起こした中の高齢者(60歳以上)の割合が12%から26%に増えた。川崎臨港警察署は24・6%、幸警察署は20・5%となっている。川崎警察署は、この5年間の区内の高齢者人口比率が上がったわけではないことから、車に乗っていた高齢者が免許を返納し、自転車に乗り換えたことで高齢者の自転車利用率が増えた可能性が高いとみている。「高齢者を対象にした自転車教室など開きたいが、今の状況では開けない。家族で自転車や車に頼るのはやめようという話をしてもらいたい」と訴える。

自転車は「車」の意識が必要

 事故を起こさないためのポイントとして各署長とも口を揃えるのは基本的な事ではあるが「ルール・マナーを守る」こと。自転車は車両だという意識を持つことも大切だ。川崎警察署の青山署長は、歩行者の「仲間」として歩道を走ったり、車の「仲間」として車道を走るなど都合よく使い分ける意識を変えていくことが重要だと訴える。「『自転車も乗ったら車の仲間入り』などどいう話を聞くが、そもそも車なんです」と強調する。

 麻生区で2017年12月にスマートフォンを操作しながら自転車に乗っていた大学生が起こした死亡事故は記憶に新しい。自転車事故においても損害賠償金が高額になるケースも増えており、神奈川県では一昨年10月に自転車保険への加入が義務化された。

乱横断にも注意

 自転車事故に並んで死亡事故や重傷事故につながるものとして、横断歩道以外を渡ったり、信号を無視して渡る乱横断も問題となっている。特に高齢者によるものが多い。川崎警察署によると中央分離帯のある道路が乱横断の要因でもあるという。車を運転している時に道路の真ん中(右側)から人が出てくる意識はあまりないので、事故になりやすい。事故を起こさないために川崎警察署は「常に人が出てくる『かもしれない』という意識で運転を」と呼びかける。幸警察署では乱横断防止柵の設置も進めているが、道路構造上設置できる場所は限りがあるとしている。川崎臨港警察署は「横断歩道以外の横断は薄暮・夜間は特に運転手からの発見が遅れがちになります。道路横断するときは必ず横断歩道を利用してください」と呼びかける。

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