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鎌倉 人物風土記

公開日:2025.12.19

鎌倉市に著書「平和のバトン 広島の高校生たちが描いた8月6日の記憶」を寄贈した
弓狩 匡純さん
東京都在住 66歳

突き進む「好奇心」

 ○…ジャーナリストとして世界50カ国以上を訪れ、国際情勢や経済、文化、スポーツなど幅広い分野を取材し、その知見を数多くの著書にまとめてきた。広島の高校生が被爆者の話を聞き、薄れゆく記憶を油絵で残す取り組みを追った『平和のバトン 広島の高校生たちが描いた8月6日の記憶』が今年度から国語の教科書に採択され、自身が育った鎌倉へ「少しでも恩返しができたら」と寄贈した。

 ○…兵庫県宝塚市で生まれ、中学から鎌倉市へ。大船中学校ではバスケットボールに熱中し、由比ヶ浜や稲村ヶ崎に足を伸ばしてはサーフボードに乗って波に揺れた。「遊び、学び、恋をした。まさに鎌倉は自分の青春」とほほ笑む。大船には今も実家があり、「大人になってから更に良さがわかってきた」と、愛着は増す。

 ○…世界を渡り歩き、表現し続ける原動力は「やっぱり好奇心だよね」とうなづく。現地に触れ、素直な感動を伝える。過去に出版した国歌や社歌に着目した著書は、その独自性が高く評価された。今回寄贈した著書でも、被爆者の紹介では現在の姿ではなく、被爆当時の学生時代の写真にこだわった。「学生たちに少しでも近づけることで、平和の学びを身近に感じてくれるはず」と目を細める。「病気や災害など、平和の危機は戦争だけではない。本が『今の自分たちに何ができるのか』を考えるきっかけになってくれたら」と思いをはせる。

 ○…旅先で出合う多彩な料理を味わい、自身も厨房に立つ。素材を集めて一つの作品を作る料理は「最もクリエイティブなこと」と満面の笑み。「将来的に、鎌倉と広島など平和をテーマに地域のつながりを作れたら」。思い描く好奇心は止まらない。

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