かわさきエコ暮らし未来館(川崎区浮島町/武田薫施設長)が8月6日に開館10周年を迎える。地球環境やエコへの取り組みなどを学べる体験型の施設。脱炭素の推進など社会変容に合わせ、「時代に沿った情報を提供し、環境について考えるきっかけ作りを進めていきたい」と武田施設長は語る。
同館が開館したのは2011年8月。東日本大震災発生から5カ月後だった。自然エネルギーへの関心が高まる中、同館には浮島・扇島太陽光発電所の見学とあわせ、大手企業や各地の自治体関係者らが多く訪れた。
企業の新入社員研修や、市立小学校の社会科見学などでも利用され、年間約1万5000人が足を運ぶ施設となった。ごみ処理技術などを学ぶため、東南アジアを中心に海外からの来訪者も増え、累計来場者数は13万人を超えた。武田施設長は「コロナ下で来館者はかなり減ったが、工夫しながらエコや環境への取り組みに触れる裾野を広げていきたい」と語る。
社会変化に対応
勤務7年目でアテンドリーダーを務める峯菜々子さんは「当初は低炭素を推進していたが、今はCO2ゼロが目標。社会や川崎市の取り組みの変化にガイド一人ひとりのレベルアップが必須」という。同館は、19年に全国で初めて導入されたEVごみ収集車の紹介や、市が力を注ぐ脱炭素や水素エネルギーの利活用など、市の取り組みを啓発する役割も担う。峯さんは「いかに興味を持ってもらえるか。日々知識を更新しながらお客様に向き合っている」と話す。
一方で、立地面の課題も。同館は川崎駅からでも車で30分以上はかかる浮島町に位置し、「ふらっと立ち寄ってもらえる場所ではない」と峯さん。毎週土曜日に開催しているエコが学べる工作教室は時間指定で行っていたが、数年前から開館時間内はいつでも受け付け、内容も毎回変えるなど、工夫を凝らす。
8月5日から7日までは10周年を記念した「ecoフェス」を開催。人気の工作教室が一挙開かれる。峯さんは「夏休みの自由研究にもぴったり。少しでも施設を身近に感じてもらえれば」と思いを込める。
詳細は同館ウェブサイトで。
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