川崎区・幸区 人物風土記
公開日:2023.06.09
川崎朝鮮初級学校でボランティアで給食を提供する「トングラミ」の代表を務める
平賀 萬里子さん
川崎区京町在住 71歳
給食で交流、新たな架け橋
○…同じ母親として少しでも子育ての力になりたい――。昨年1月から、川崎朝鮮初級学校(川崎区桜本)で月に1度、手作りの給食を提供している。在日韓国・朝鮮の人々との交流をきっかけに、小学校に給食が無いと知り支援を申し出た。自ら旗振り役となりボランティアに取り組むのは初めてのことで戸惑いもあったが「役に立ちたい」という思いが先に立ったという。活動名は韓国語で丸を意味する「トングラミ」。「つながりが途切れないように」と思いを込めた。
○…群馬県高崎市で生まれ育った。多感な青春時代は、ベトナム戦争や大学紛争がおこり、社会のことには無自覚ではいられない時代。自然と社会問題に関心を持ち、理不尽なことには反対運動などに参加するようになった。在日の人々とは、定年退職後にハングルを習い始めたことがきっかけで、近所で開かれていた高齢者の交流会に参加し関係を深めた。過去に日本が犯したことの贖罪(しょくざい)の気持ちは心の片隅にあったが、居心地がよく「おしかけボランティアでした」と何かと手伝うようになった。
○…「相手の立場を自分に置き換えて考えてみること」。社会問題に向き合う時に大事にしていることだ。トングラミの活動も2人の子どもを育てた母だから初級学校に通う子の母を思うと居ても立ってもいられなかった。強い思いには多くの人が賛同し、活動資金を呼びかけたワンコイン(500円)の会員は250人にのぼる。
○…趣味は韓流ドラマを見ること。だが時間があるとつい給食に提供する献立を考えてしまうという。「子どもの笑顔が何よりのやりがい。今後は、さまざまな交流を進め朝鮮学校を舞台に川崎市民がつながる場をつくりたい」と意気込む。
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