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公開日:2023.09.01

関東大震災100年
川崎での虐殺記録 冊子に
市民団体が発行

  • 資料を示しながら語る山田さん

 100年前の9月1日に発生した関東大震災は、流言飛語により多くの韓国・朝鮮人や中国人が虐殺された歴史でもあった。虐殺事件は川崎でも起こり、4人が犠牲となった。川崎区桜本地区を中心に在日コリアンの歴史と文化の記録や学習、発信に取り組む「川崎・在日コリアン生活・文化・歴史研究会」は、多くの人に史実を知ってもらおうと『朝鮮人虐殺 川崎調査の記録集』を発行した。山田貴夫代表は「歴史を学び、謙虚に見つめ直すことが重要」と語る。

 記録集はA4判25ページ。流言飛語や朝鮮人虐殺を伝える当時の新聞記事を時系列で紹介。記事から判明した虐殺や重傷を負った犠牲者名を記載する。

 朝鮮人保護に協力した土木請負業者の記録や、新田神社に朝鮮人の収容保護に力を尽くした田島町助役栗谷三男氏の功績を記した吉澤保三田島町長の文書も掲載。臨港消防署婦人消防士グループが1970年に編集した『十一時五十八分 川崎市南部り災者の声』の証言の中から、流言飛語や朝鮮人保護にまつわる話を取り上げる。

 虐殺事件が起きたきっかけは内務省が打電した「朝鮮人は各地に放火し、爆弾を所持、石油を注いで放火するものあり」との電文。その後「朝鮮人が井戸に毒を入れた」とのデマが広がった。山田さんは「今も政府による真相究明や謝罪もない。デマをうのみにした民衆も責任がある」と指摘。一方で朝鮮人の命を守り、救助したのは「常日頃から交流のあった少数の市民」と述べ、デマを見抜く力を養うためにも歴史を学ぶことが大切とした。300円で頒布。

 問い合わせはEメールsakuramoto.map@gmail.com。

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