宮前区在住のロシア人写真愛好家、アレン・スミルノフさん(47)が、宮前区で撮り続けた写真を集めたネットギャラリー「みやまえ日和」を開設した。地元愛に満ちた写真を通し、地域の魅力を発信していくという。
東高根森林公園から見える富士山。平瀬川のほとりではためくこいのぼり。6月初めに開設したネットギャラリー「みやまえ日和」には、アレンさんが4年ほど前から宮前区で撮り続けてきた写真が並び、街がもつ多彩な表情を伝えてくれる。
青空へとのびる雲間の光や夕日に輝く坂道など、アレンさんがカメラで捉えたひとこまは、異国の街の風景のようでもある。しかし「自分はただ出合った風景にカメラを向け、その瞬間を撮るだけ。宮前の魅力を伝える写真が撮れれば、それで十分」と語る。
当初はSNSのコミュニティー「ふらっと宮前区」へ投稿していたが、6月8日(日)に生田緑地(多摩区)で開かれたイベントの主催者に「写真を展示しないか」と打診され快諾。初のイベント出展にあわせ、ネットギャラリーも開設した。
違う輝きに気づいた
アレンさんは旧ソ連時代のサンクトペテルブルク近郊の出身。幼い頃、父が旅行先から持ち帰った日本の雑誌に魅了され、15歳の時に父と初来日した。新潟と京都を訪れ、「歴史、文化、食べ物、街の人たちの優しさ。いっぺんで日本のとりこになった」という。
独学で日本語を学び、2000年に北海道の大学に留学。修士課程を修了後、東京都の会社に就職して日本人女性と結婚し、2011年から宮前区に暮らす。千葉や東京でも暮らしたが、「自然が多く人も温かい。この町が一番」という。
学生時代から趣味だった写真に本格的に打ち込み始めたのは、コロナ禍の2021年だった。息詰まる日々の中、気分を変えるため、お気に入りスポットの東高根森林公園にカメラを手に通い始めた。するとこれまで気づかなかった風景に「出合える」感覚があったという。「普通に歩いても素敵な街だけれど、ファインダーを通すと、違う輝きに気づく。その一瞬が写真の面白さだと思う」
日本での暮らしが四半世紀を超え、改めてこう感じているという。「もっともっと宮前の魅力を発見し、写真で伝えていきたい」
![]() アレン・スミルノフさん
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