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川崎区・幸区 文化

公開日:2025.06.25

異文化交流フェス開催
言葉の壁超え笑い合った

  • (写真上)「しっぽとり」で芝生を走り回る参加者たち(写真下)ヘナアートのブースで顧客対応する林さん(右)

 言語を超えたリアルな交流を作りたい--。一人の英語講師の思いから生まれた異文化交流イベント「生田緑地国際スポーツ&カルチャーフェスティバル ウィズTAROマルシェ」(スポカルフェス)が、6月8日に生田緑地で開催された。主催者の願い通り、さまざまな国にルーツを持つ人々が共に汗を流し、笑い合った。

 「スポカルフェス」は、多くの外国人が暮らす川崎の地に新たな異文化交流の場を作ろうと、多摩区で英会話教室を営む高部真生さんと、スリランカ出身で川崎市外国人市民代表者会議の元委員長、ペレーラ・ラヒルサンケータさんが立ち上げたイベントだ。

 高部さんの「外国の人々と実際に触れ合える場が欲しい」という思いから始まり、協力者のペレーラさんと「リアルな触れ合い」にこだわってイベントを考えた。多国籍チームで力を合わせる綱引きや玉入れなどの「グローバル運動会」や、子どもたちが会場内の外国人を探して声をかける「地球まるごとサインラリー」など、「言葉に関係なくコミュニケーションを交わせる仕掛けを考えた」という。

 東京都狛江市から父親と参加した小学1年生の女の子は、外国ルーツの大人や子どもたちと追いかけっこの「しっぽ取り」を力いっぱい楽しんだ。父親は「娘がこの運動会を楽しみにしていた。実際に外国人と触れ合える、いい機会だと思う」と笑顔で話した。

外国人が当たり前に 

 会場には、タイマッサージの体験コーナーやロシア人写真家のギャラリーなど、多国籍の文化に触れるブースが並んだ。「ヘナアート」のブースを出店した林リダさん(29)は、父がパキスタン、母が台湾にルーツを持ち、自身は生まれも育ちも川崎市。日本語が母国語だが、イスラム教徒の女性が着用するヒジャーブをまとう外見から、幼いころ電車の中で「自分の国に帰れ」と言われた経験もある。「でも今は川崎に外国人がいて当然という感じ。すっかり変わった」

 昨年9月、日本に暮らすムスリムの人々を応援する一般社団法人「清真の木」を立ち上げた。「モスクに通う子どもの中にはいじめにあい、不登校になる子もいる。社会の懸け橋になりたい」と林さん。ブースにはパキスタンやスリランカのスタッフが並び、続々と訪れるゲストの手に手際よくヘナアートを描いた。林さんは「ヘナがこんなに人気だなんて。スタッフも楽しそうでうれしい」と喜んでいた。

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