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川崎区・幸区 人物風土記

公開日:2015.10.02

市民自主映画上映会「ゆめシネマ」で演奏する「長十郎」の代表
津川 博保さん
昭和在住 76歳

地元に響く「長十郎」の音色

 ○…区の木である「長十郎」の名で活動する演奏グループの代表を務める。2011年に発足した「アゼリア合奏団inシニア」内にある4つのグループのうちの1つで、大師地域に住むメンバーを中心に、約15人が所属。老人ホームの慰問や保育園などで童謡や唱歌を演奏し、大師地域を中心に音色を響かせる。「初めは『夕焼け小焼け』や『鯉のぼり』位しか演奏できなかったけれど、皆みるみる上達してきているんですよ」と笑顔。

 ○…自身はバイオリンを奏でる。小学4年から3年間習ったことはあったが、本格的に演奏するようになったのは定年後。横浜の市民楽団に所属し、プラザ大師で演奏会を行ったとき、観客からのアンケートに「介護の疲れが吹き飛んだ」「生きている間にもう一度聴きたい」そして「川崎区にも楽団がほしい」と記されているのを目にした。そのとき「地元に楽団を作ろう」と決意。「アゼリア合奏団inシニア」を立ち上げ、現在も代表を務めている。

 ○…昭和で生まれ育った。古河電工に勤務し、新部門を立ち上げるなど活躍。定年まで勤め上げた。現在は妻、次女と3人暮らし。海外暮らしの長女が帰国すると、家の中はにぎやかだ。趣味は多岐にわたり、音楽だけでなく、寺院での学習や「ボケ防止の会」「大師俳句さんぽの会」等、忙しい。「定年退職後にこんな人生が待っていたとは、私自身が思いもしませんでした」と、しみじみ。

 ○…「長十郎」は、メンバーの憩いの場にもなっている。「家庭の事情や個人の悩み等、人間ならいろいろある。それを『ここに来ると楽しくて忘れられる』と積極的に集まってくるんです」と話す。休んだ人には必ず誰かが心配して連絡するなど「『孤独死の心配はないかもね』なんて冗談が飛び交うんですよ」。川崎大師平間寺大山門前での演奏に向け「自分達が楽しみながら奏でる演奏を、多くの人に聞いてもらいたい」

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