川崎Fが運営する「富士通川崎スタジアム」の支配人を務める 田中 育郎さん 麻生区在住 46歳
「世代と世代が繋がる空間に」
○…プロ野球・大洋やロッテがかつて本拠地として使用した川崎球場は、その後、川崎富士見球技場へと名称変更され、先月1日から川崎フロンターレ(以下、川崎F)などが運営する「富士通スタジアム川崎」としてリニューアルオープンした。川崎Fからスタジアム支配人の「特命」を受け、勤しんでいる。
○…富士通スタジアムはアメリカンフットボールがメーン。なぜ、川崎Fが運営との声もあるが同クラブにとって、ここはユース選手やスクール生の成長の場として長年お世話になってきた活動拠点。「川崎市の皆様とスタジアムへの感謝を表す意味で手を挙げた。市民に愛され、川崎を代表する総合公園に育てていきたい」と語り口は熱っぽい。
○…宮前区で生まれ育った「生え抜きの川崎人」。幼少時代にはこの場所で大洋戦での王選手のホームランを見た記憶もある。「クラブ内では川崎球場を語れるのは俺しかいない」との自負もあり、新たな立場に気持ちは自然と昂る。掲げるテーマは「過去と今」「異なる世代」「様々なスポーツ」を繋ぐ場づくりだ。
○…その一環として手掛けたのが、管理事務所内に開設したギャラリースペース。床にはスタジアムと全く同じ人工芝を敷き芝の長さや感触が得られる。壁には大洋の山下大輔選手のユニホームや王選手の700号ホームラン、ロッテ時代の張本選手の3000本安打のメモリアルプレートを展示。川崎球場時代のスタンド椅子も飾った。大洋が日本シリーズを行い、王選手が初めて一本足打法を披露した場所。力道山が試合をしたこともある。「そんな埋もれた歴史を掘り起こし、かつてここに親しんだ世代には昔を思い出してもらいつつ、またここに足を運んで頂きたい。新しい世代とはこれから始まる歴史を一緒に積み重ねていきたい。世代と世代が繋がる空間にしたい」。川崎球場から富士通スタジアム川崎に至る歴史展実施も計画中だ。
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