川崎市アートセンターで10月2日まで公開される映画「ゆずり葉の頃」で初メガホンをとった 岡本 みね子さん 多摩区在住 77歳
「無謀な挑戦を観て頂きたい」
○…これまで映画プロデューサーとして活躍してきたが、76歳(撮影時)にして初監督を務めた。八千草薫、仲代達矢、岸部一徳ら豪華キャストがデビュー作「ゆずり葉の頃」を盛り上げる。「年配の方が主演する映画には、介護や認知症などをテーマにした作品が多いが、フランス映画のようなロマンチックなものを撮りたかった」と話す。作品を通して、人のもつ優しさを認識することがよりよい老後につながっていく、ということを伝える。
○…多摩区出身。早稲田大学に入学後、映画研究会に入会。日本シナリオ作家協会の第1期生として、大学3年の頃には、テレビ番組のシナリオをすでに月5本以上書いていた。映画研究会では「独立愚連隊」や「日本のいちばん長い日」など数々の名作を残した故岡本喜八監督と出会い、結婚。「まさか奥さんになるとは思っていなかった」と照れ笑いを浮かべる。子どもが生まれてからもシナリオを書いていたが多忙になり、プロデューサーとして夫を支えてきた。
○…多摩区の大自然の中、多摩川や田畑に囲まれて育った。「多摩川の清流で、小学6年生の時まで泳いで遊んでいた。山の上から見る大自然の風景は本当にきれい」と語る。「映画ぐらいしか娯楽はなかった」と、子どもの頃から向ヶ丘遊園にあった映画館などによく行っていたという。
○…今作では当初、監督をやろうとは考えておらず、約35年のブランクがある中、シナリオだけを書こうとしていた。しかし、自身で監督をやらなければ予算が足りず、挑戦することに。「監督は一人で全責任を負う孤独な仕事でつらかった。作品が出来てから公開までこぎつけるのは、もっと大変だった」と振り返る。「この歳になってしてしまった私の無謀な挑戦をぜひ観ていただきたい。アートセンターや日本映画大学など、映画文化が浸透してきたこの地元で、後に続く人の何かのきっかけになれば」
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