子育てが貴重な財産に

　○…幸区役所のキッズルームがリニューアルされ、壁面に彩られたイラストのデザインを担当した。夢見ヶ崎動物公園にいる動物と子どもたちが仲良くしている絵を描き、壁全体に引き伸ばされている。「私の描いた絵が一枚絵みたいに大きくなっていて、とても感動しました」と喜びを表す。「幸区独自の特色が出せたと思う。とても温かく仕上がっていて、素敵って感じました」。キッズルームの利用者には「お馴染みの動物が並んでいる。ぜひ盛り上がってもらいたいですね」

　○…依頼されたきっかけは２０１２年、子育て情報誌「おこさまっぷさいわい」を作る幸区子育て情報誌編集委員に公募で参加したことから。初めて情報誌を見た時は「公園の場所とかが写真付きで載っていて便利だった」と振り返る。約20人の委員と共に制作に携わり、13年度版からは表紙の絵を描いている。「多くの人が手にする冊子になって嬉しかった。ラッキーだなと思った」と瞳を輝かせる。

　○…新宿区の出身。子どもの頃から絵が好きで、色鉛筆だけで描く。「親からは美大を勧められたけど、絵の具とか色鉛筆以外は苦手でやめました」と苦笑する。夫の仕事の関係で、イギリスで一年過ごした後、鹿島田へ。川崎に住むのは初めてだったが、ボランティアや二人の子どもの子育てに没頭しているうちに、「どっぷり幸区につかっている」と楽しそうに笑う。

　○…子育てに忙しい中、情報誌の編集、制作のほか、地域ボランティアにも参加し、イベントの企画や広報などを行う。「時間ができるとダメなタイプなんです」と話し、子育てだけでなく社会とのつながりが「やりがい」だという。それでも、「子どもが『お母さん、お母さん』と言って頼るのは、小さい時だけだと思う。子育てが大変でも、甘えてくる時期は短いと思って、子どもと向き合う時間を大事にしてほしい」。優しい母親の顔で、子育ての貴重さを語った。