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さがみはら南区 トップニュース社会

公開日:2012.09.06

相模川磯部流域
危険箇所で死亡ゼロ
今夏 安全対策に効果か

  • 塀のような魚道の上から、手前側の水溜りに飛び込めるようになっていた。魚道の後ろに相模川本流が流れる

 相模川磯部地区における夏場の水難事故防止のため、この7月、県では安全対策を講じた。このエリアでは頭首工(とうしゅこう)などの人工構造物が多く、昨年には市内の中学生が水禍(すいか)に遭い、亡くなっている。県は、水遊び場となっている箇所の水位を低くするなどの対応策を施し、今夏は痛ましい事故が起こることはなかった(8月30日現在)。



 農業用水を引くための頭首工、川底が深く掘られるのを防ぐ床止(とこど)め…。相模川でも、磯部地区は特に多くの人工構造物が集中している。



 地元にはそこを遊び場と考える小中高生も少なくないという。中でも、床止めの脇に設置されている魚道(ぎょどう)は高さもあり、そこから池のようになっている”川の水溜り”へと、飛び込む若者が毎年現れるそうだ。



 昨年7月以前にも、平成20年9月にはこの床止めで同様の事故が発生しており、16年、14年には上流の頭首工で若者が亡くなっている。この磯部では、10年の間に死亡事故が4件起こったこととなる。”毎年、暑い時期になると心配です”-。近隣住民からのそういった声を受け、地元自治会では安全対策の必要性を、県に要望してきた。



川は絶対に×



 こうした現状の下、県では、今年6月に「水難事故防止対策プロジェクト」を発足。ソフト面では、「立入り禁止」とだけ掲げられていた看板や注意書きを、「死亡事故多発箇所」という危険をはっきり知らせる文言に書き換えた。また、地元小中学校には、同様の表現がなされたポスター・チラシを配布。安全意識の向上が図られた。「川には遊泳箇所というのはありません。海よりも水の流れが不規則で、急に深くなっている場所もあります」。河川を管理する県厚木土木事務所では、川遊びの危険性を訴えている。



遊べないように



 さらに、特に問題となっている魚道からの”飛び込み遊び”に関しては、水が溜まりやすい場所の水位を下げる処置を施し、新たにテトラポットを置くなどの対策を講じた。「川遊びを物理的に難しくしたことで、川に入る若者が減ったと聞いています」と、県では成果のほどを話す。



 今後は、この魚道周辺により高い柵を張り巡らせ、いっそうの進入防止に努めていくという。

 

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