相模川新磯河川敷(南区新戸・磯部地先(じさき))の約1400mの堤防斜面は例年この時期に、芝ざくらで彩られる。「新戸相模川芝ざくら保存会」(児玉高典会長)をはじめとする地元団体有志らがその植栽や管理などを行っているが、近年は担い手の高齢化など課題が増えている。そんな中、今年初めて、市内の大学に通う学生が一区画を任され管理・植栽を行っている。
関東に春一番が吹いた3月18日。河川敷に麻布大学環境科学科(中央区淵野辺)の学生7人が集まった。彼らは同大学の有志で結成された地域活動団体「Mof」(モフ/Mission〜of〜flower)のメンバー。現在、総勢14人で活動している。この日メンバーは、4月6日(日)から20日(日)まで同地で開催される「相模川芝ざくらまつり」に向け、斜面一区画23m×約5mに、保存会や市みどりの協会から提供された約2千株の芝ざくらを植栽。「モンブラン」「オーキントンブルー」など5種類ほどを、鯨や貝がら、桜の花びらの模様にかたどった。
「高齢化」課題を解消
メンバーを顧問としてまとめているのは、中央区矢部でイベント制作会社を運営する梶山純さん(31)。麻布大学の卒業生である梶山さんは、同大学で教員の手伝いとして学生と接していた。その中で、「花を植えて景観を良くし、ごみのポイ捨てをなくそう」という、学生によるモフの前身となる団体立ち上げの動きを知った。その一方で、芝ざくら保存会が近年、会員の高齢化などで思うように作業がはかどっていないことを、会員として所属する市観光協会の集まりで耳にした。
そこで梶山さんは学生に対し、保存会を応援することを提案。2012年の夏頃から保存会の除草や植栽を学生が手伝い始めた。そして昨夏頃、保存会から学生へ斜面一区画の管理が打診された。保存会の児玉会長は「泥まみれになって自分が植えたものを観るのは違うと思う。他の大学にも浸透してくれれば」と話す。モフの五十嵐章太郎さん(20)は、「大きな区画を任され、緊張しているが、皆で楽しく仲良くやれたら」と意気ごみを語った。
梶山さんは今年の芝ざくらまつりで、若者に環境保全を啓発するイベントも企画している。同地で自分たちの区画を持ち、芝ざくらの植栽や管理を行っている団体は現在、同保存会とモフ、そして近隣に専用練習場を構える女子サッカーチーム「ノジマステラ神奈川相模原」の3団体だけ。「ごみのポイ捨てを無くすために植栽を始めた、という良いストーリーが芝ざくらにはある。手がける団体が増えてくれれば」と話した。
さがみはら南区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|