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公開日:2016.06.23

相模原市議会
大槻和弘氏が当選人に
会期中に議員が交代

  • 当選証書を手に神妙な面持ちを見せる大槻和弘氏

 昨年4月の相模原市議選南区選挙区で最下位当選を果たしたものの、票の再点検により落選と判断された小林丈人氏(44)が、県選挙管理委員会が出した当選無効の決定取り消しを求めた訴訟で、最高裁判所は14日、小林氏の上告を退ける決定を行った。これを受けて市選挙管理委員会が16日に開催され、小林氏の当選無効を確定。19日には当選人の更正決定のための選挙会が開かれ、新たに大槻和弘氏(60)が当選人となった。

 19日に市役所で行われた当選証書付与式に姿を見せた大槻氏は、市選管の井上正明委員長から証書を手渡され、感無量の表情を見せた。その後、市役所内で会見を開き、「昨年の選挙から実に432日が過ぎた。期待をして投票いただいた方に申し訳ない気持ちだ。今後は小林丈人さんの無念も受け止め、市政発展にまい進したい」と述べた。自身の有効票の効力判定ミスなど南区選管による選挙事務にも触れ、「今日まで謝罪の言葉もなく、無責任な対応に憤りを覚える。選管は改めて一票の重さを肝に銘じていただきたい」と語気を強めた。

 相模原市議会では現在、6月定例会議が開かれており、大槻氏は翌20日に登庁した。

 一方、上告棄却を受けて15日に市役所で会見を開いた小林氏は、「非常に無念。投票いただいた3304人の方の想いを考えると胸が詰まる。地域活性化に市議として尽力したかったが、志なかばとなるのは残念」と述べた。また、選管の体制の不備なども実感したと言い、「改めていくために行動に移していきたい」と語った。現在は後藤祐一衆議院議員の秘書として活動。「次の相模原市議選の出馬を目指す」としている。

これまでの経緯

 昨年4月に行われた選挙で小林氏は3304票を獲得。3303・339票を得た次点の大槻氏に0・661票差をつけて最下位当選となった。

 同月27日に大槻氏が市選管に異議申立書を提出。一部の票を市選管が再点検した結果、無効票の中から「大つきか●ひ(●は判読不能)」と書かれた票が見つかった。これを市選管は有効票と判断し、5月に大槻氏の得票を3304・340票とする当落逆転の決定をした。

 小林氏はこの判断に納得できないとして、6月に県選管に審査申立書を提出したが棄却された。9月には「再点検で発見された票は、審査係のチェックをくぐり抜けた上に記憶に残らないとは考えづらく、何者かが開票後に票を潜り込ませた」と主張して、東京高裁に提訴。しかし、東京高裁は「投票用紙は衆人環視のもとにあり、誰かが無効票の中に票を紛れ込ませることは極めて困難」と混入の可能性を否定。また票の記入内容も「他事記載にあたり無効」とする小林氏の主張を「大槻氏に投票しようとして名を誤記したものと認めるのが相当」と判断し、棄却する判決をくだした。小林氏はこれを不服とし、昨年12月、最高裁に上告していた。

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