さがみはら南区版 掲載号:2020年10月22日号 エリアトップへ

2020年度の消防庁長官表彰を受けた 石井 茂さん 中央区東淵野辺在住 59歳

掲載号:2020年10月22日号

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「全力投球」で突き進む

 ○…1979年に市消防局へ入庁し消防士として11年勤務した後、救急部署に異動した。先輩の救急救命士と働くうちに「今の自分では助けられない」と痛感。猛勉強を始め、96年に救急救命士の資格を取得した。03年には県北・県央地区のメディカルコントロール協議会の基盤構築に携わり、設立後も円滑な運営に尽力。14年には市内初の指導救命士の資格も取得し、若手の指導育成に励んでいる。それら長年の働きが認められてこのほど、個人では市で初めて消防庁長官表彰を受賞した。「隊員や病院関係者の代表としていただいた。仕事に没頭できる環境を作ってくれた妻や家族にも感謝したい」

 ○…救急隊員の最初の仕事は「患者に安心感を与えること」。32歳の時、搬送先の了承がすぐに得られず、「まずい」と発してしまったことがある。一瞬意識を取り戻した患者に「何がまずいの?」と言われ、ハッとした。今も鮮明に残る苦い経験を繰り返さぬよう「不安を与える言葉は言わない」を自ら徹底し、後輩にも伝えている。

 ○…5年前の津久井やまゆり園の殺傷事件。本部に詰めていても現場の緊迫感は伝わった。犯人が居るかもしれないなか、患者を一刻も早く助けなければならない。指揮官として任務にあたり近隣の市や町、病院に協力を要請。「搬送した26人全員の命を救うことができたのは、多くの協力があったから。日ごろから顔の見える関係を築いておくことの重要さを痛感した」と振り返る。

 ○…コロナ禍で趣味のツーリングもお預け。休日は愛猫とまったり過ごすのが至福の時だ。定年まであと僅か。「初めて人を助けた時からのポリシー、全力投球で突き進むだけ」と笑顔。自らの行動で、救急としての姿を後進へ継承していく。

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