国道16号沿いにキャンピングカーの大型専門店の出店が相次いでいる。中央区共和に昨年7月、埼玉県に本社を構える製造販売業者の大型店がオープン。今年4月には南区相模大野に輸入車を専門に扱う店舗が開業した。相模原が選ばれる理由は――。
売上過去最高
コロナ禍で何度目かのブームを迎えたとされる「キャンプ」だが、すでにそれはピークが過ぎたとも言われている。ただ、キャンピングカーの市場は年々拡大。一般社団法人日本RV協会の資料によると、2023年の販売売上総額は新車・中古車を合計して過去最高の1054億円で対前年比138%。ここ数年、右肩上がりを続けている。
「東名高速と圏央道のインターチェンジがあり、都心からを含めアクセスが良い点がまず大きいです。他店も同様の理由で出店をしているのではないかと思いますが、そうやってキャンピングカーを扱う店舗が増えていることも我々にとっては魅力的な場所と考えます」。そう話すのは4月末、相模大野2丁目交差点近くに「EURO―TOY相模原」(南区相模大野)をオープンさせた株式会社トイファクトリーの担当者。同社は岐阜県を拠点にオリジナルのキャンピングカーを製造・販売する業界大手。そんな同社が今回手掛けた店舗は「輸入車」を扱っており、同社にとっても初の試みという。それらは全長6〜8メートルと国産車と比べ大きく、購入する際は自宅などにそれなりのスペースが必要となる。「その点、神奈川は都心に比べて余裕があると考えます。それが今回、神奈川、相模原に出店した理由の一つでもあります」。開業日にはキャンピングカーの普及を推進する超党派の議員連盟に所属する国会議員らが訪れるなど、このオープン当日は業界の中でも注目のイベントとなった。
アクセス良い
相模原は21年にキャンプ場のガイドブックが発行されるなど、施設が豊富にあることでも知られる。観光協会も特設サイトを作るなど力を入れている。
「相模原市は県の中央に位置し、約73万人の方が暮らしています。中心地である中央区をはじめ、都内に勤める方々のベッドタウンでもある南区。そして相模湖など自然豊かな緑区と、政令指定都市でありながらこのような環境は、多様な消費者層へのアクセスが可能です」。共和4丁目交差点側のVANTECH神奈川(中央区共和)の担当者は、店舗を運営するVANTECH株式会社(埼玉県)による5店舗目を相模原に選んだ理由をそう説明した。またトイファクトリーと同様、アクセス面での優位性も強調する。「相模原市は保土ヶ谷バイパスや東名高速、圏央道の接点にあります。この優れた接続性は、広範囲からの顧客を引き寄せ、店舗への来訪頻度を高める重要な要素だと考えます」
防災面でも注目
一方、災害が多い日本列島において、防災の観点でキャンピングカーの需要は高まっている。能登半島地震に対してはレンタカー、トイレカーの提供など両社とも支援活動を行った。そのように今後も「活躍」が見込まれるキャンピングカー。業界内で「好立地」とされる相模原で、さらなる広がりが期待される。
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