さがみはら南区 社会
公開日:2025.10.23
「まだ楽しいことがある」
91歳 谷藤さん(区内在住)
区内在住の谷藤繁さん(91)は週に一度、宮ヶ瀬湖でローイングを楽しんでいる。約20年前から同所のクラブに所属し、これまで数々の大会にも出場したという。
ローイングはオールを使ってボートを漕ぎ、水上の直線コースで順位を競うスポーツ。1人で漕ぐ「シングル」から8人で行う「エイト」まで6つの種類がある。
ローイングに出会ったのは大学生の頃。生まれ育った岩手県盛岡市は山に囲まれていたため、海に憧れがあった。2年生で全日本大会で優勝するなどの実績を残すほどのめりこんでいた。卒業後は漁業会社に入社し、捕鯨船に乗って1年の半分は海の上で生活。ローイングからは遠ざかっていた。
定年後は、大学の先輩でもある登山家の三浦雄一郎さんの父、敬三さんをスキーの師として衣食住の世話をしつつ、共に滑走していた。2006年に敬三さんが亡くなると、「スキーは冬だけにして夏はローイングをしよう」と思い立った。ちょうど宮ヶ瀬湖にボート場ができたこともあり、大学時代の仲間にも誘われ再開。2年前まで様々な大会にも出場していた。「自分よりも年下の人と一緒に漕ぐので、体力的に追いつかないのが大変だった。でもレースに出るだけでも楽しいし、出場するからには勝ちたいという気持ちがあった」と当時を振り返る。
「健康維持」の思い強く
2年前に心臓が弱まったため、漕ぐ機会は減ってしまったが、今でもクラブの練習がある週に一度を心待ちにしている。「オールを水面に入れて進む感覚が楽しい」と改めてその魅力を語る。現在はレースに出ることはなく、初心者やリハビリをする人たちと黙々と漕いでいる。今後も続けていくために体調に気を遣っているといい、塩分を控えたり、腹筋を鍛えたりしている。
ほぼ毎日納豆1パックとヨーグルトを食べることを日課にしている。普段は体調を崩している妻のため、洗濯や料理など家事全般をこなす。「働いていた時はほとんど家にいなかったこともあり、一緒に過ごす時間が少なかった。今が新婚生活みたいなもの」と笑う。
元気の秘訣は「自分で健康を維持したい」という気持ち。「スキーやローイングだけではなく、まだまだ楽しいことはたくさんあると思う」と目を輝かせる。
目標は更に長く生きること。「生きている限りボートは続けたい。生きていれば必ずもっと良いことがある」とこれからもオール、時には妻の手を取って進んでいく。
ピックアップ
意見広告・議会報告
さがみはら南区 ローカルニュースの新着記事
コラム
求人特集
- LINE・メール版 タウンニュース読者限定
毎月計30名様に
Amazonギフトカード
プレゼント! -

あなたの街の話題のニュースや
お得な情報などを、LINEやメールで
無料でお届けします。
通知で見逃しも防げて便利です!












