所属する全員が「1型糖尿病」を患うプロサイクリングチーム「チームノボノルディスク」の元選手で、今はアンバサダーとしてチーム広報に努めている豪州出身のジャスティン・モリスさん(33)と、同じ病と闘う子どもたちとの交流会が8月3日、大島の相模川ビレッジ若あゆで開かれた。
1型糖尿病は膵臓のインスリンを分泌する細胞が破壊される病気で原因は特定されておらず、一つには自己免疫異常が関わっていると考えられている。突発的に、若年者に発症する場合が多い。
患者や家族、医師らからなる「糖尿病『友の会』」を全国に持つ(公社)日本糖尿病協会では、小中高校生を対象に集団生活を通じてインスリン注射などの自己管理に必要な知識を身に付けるとともに、一緒に励む仲間を作るため、毎年各地でサマーキャンプを開いている。
今回の交流会は相模原近隣地域の友の会「相模原つぼみの会」が行うキャンプの中で開催。同チームとパートナー契約を結ぶ糖尿病などの医薬品製造販売「ノボノルディスクファーマ(株)」(本社・デンマーク)の協力で、市内で初めて実施された。
会にはキャンプに参加する子ども14人や保護者、帯同した医療スタッフら約100人が出席した。モリスさんは自分が10歳で発症し、夢だったパイロットを志すのを諦めたが、医師から同じ境遇の豪州人アスリートがいると知らされ、好きな自転車でプロになるという新たな夢を抱いたことなどを講演。子どもたちに対し、「皆さんも目標を少しずつ考え始めると良い。そして、好きなことが見つかったら、それに情熱を燃やして欲しい。夢を叶えることで、自分だけでなく周りの多くの人を勇気づけることになることを覚えていて欲しい」と呼びかけた。
講演の合間には、子どもたちが色画用紙にカラーペンで将来の夢や好きなことなどを自由に描き、モリスさんと語り合った。参加した内布優羽姫さん(10)は、「夢は看護師かトリマー。交流会は楽しかった」と話していた。