さがみはら緑区 経済
公開日:2022.12.01
津久井発「ととのった」
地元飲料販売会社 サウナ専用ドリンク開発
寸沢嵐に本社を構える飲料販売会社の株式会社ナショナルトータルビバレッジ(山口弘一代表取締役)はこのほど、アフターサウナドリンク「ととのった」の販売を開始した。自身もサウナ好きを公言する山口社長に商品開発への思いを聞いた。
北欧でサウナ
きっかけは約3年前。津久井青年会議所のメンバーとして北欧の国・エストニアに研修に行ったことから始まる。先住民族・ヴォル族の伝統的なスモークサウナがあることを聞きつけ、最終日の空いた時間にメンバーと共に目的地へ向かった。「現地では、サウナは1日かけて入るもので、予約もせずに飛び込みで入れるものではないらしいのだけど、先に入っていた方の厚意で途中から入れてもらった」と山口社長は振り返る。
帰国後、山口社長のサウナへの思いは増し、庭にテントサウナを常設するほどに。サウナ後に飲める栄養ドリンクを調べたところ、どれも甘さとカロリーが多いものばかりで、「それなら自分で作ってみよう」と開発が始まった。
「整った」後に
開発は手探りながらも、飲料関係の取引先などの協力を得て進んでいった。サウナ後に飲むことを想定して低カロリーで、水分、塩分、ビタミンを素早く補給できるようにこだわった。しかし、肝心の味がなかなか定まらなかったという。「味は正解がないから難しい。私にとっては美味しくても、違う人が飲んだら酸っぱい、薄い、甘いと人それぞれ。それだけに味を決めるのは責任重大。何回も試作をしてすっきりした柑橘系の味にまとまった」と話す。
約2年をかけて完成したドリンクは1本500ミリリットル。32キロカロリーで、各種ビタミン、BCAA、バリン、ロイシン、イソロイシン、葉酸、ナイアシン、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどを配合。熱中症対策レベルの塩分も摂取でき、クエン酸も3300ミリグラム含まれる。「サプリメント並みのドリンクになった」と山口社長も自負する。「サウナー(サウナ愛好家)の皆さまに整った(サウナ、水風呂を繰り返しリラックス状態になること)後に、ぜひとも飲んでもらいたい」と話す。
サウナー増やしたい
9月に販売をスタートし、現在は全国の温浴施設を中心に営業を展開している。すでに北海道、長野、富山、京都、兵庫などの施設で取り扱いが始まっているという。温浴施設に絞って営業を展開しているのは、山口社長のサウナへの思いがある。「サウナーの皆さまに長く飲んでいただき、温浴施設を豊かにしたい。適正利益を取っていただくことで、設備投資ができるようになる。サウナーにとっては良いサウナに入れるからうれしい。そうして通う人が増えれば、温浴施設の経営が安定する。『ととのった』の販売を通して3者が永続的に繁栄できれば。津久井発の飲料ベンチャーとして挑戦していきたい」と話す。
「ととのった」は税込220円。現在は一部の温浴施設で販売しているほか、ウェブサイト(https://totonotta.life/)で購入することができる(ウェブサイトでの購入は1ケースから)。
商品に関する詳細、問い合わせは同社【電話】042・685・1196。
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